南加県人会協議会:演芸会で伝統芸能を披露

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日本文化継承者4人に奨学金

沖縄県人会の宮城能松社中による沖縄舞踊「野原遊び」

沖縄県人会の宮城能松社中による沖縄舞踊「野原遊び」

 今秋、創立50周年記念を祝った南加県人会協議会(当銘貞夫会長)は、日本文化継承者を育成する奨学資金集めを目的とした「親睦演芸会」を19日、小東京のアラタニ劇場で開催した。各県人会を代表する芸達者のメンバーたちが、日舞や民謡、歌謡、コーラス、ダンスなど、生まれ故郷の伝統芸能を披露し、約500人の参加者から大きな拍手を浴びた。文化継承者への奨学金授与式を開き、若い受賞者4人は、さらなる精進を誓った。【永田潤、写真も】

和歌山県人会の「寿の会」による郷土民謡「上げ潮太鼓」

和歌山県人会の「寿の会」による郷土民謡「上げ潮太鼓」

 演芸会は、芸術の秋の行事として、日系社会にすっかり定着し、今回で35回記念を迎えた。今年は創立50周年の一環として開かれ、二重の喜びに包まれた。県人会協議会は、次世代を担う文化人の育成に力を注いでおり、今年までに計272人に奨学金を授与している。
 演芸会の第1部は、県人会協議会に加盟する13の県人会から、多芸多才な出演者が18演目を繰り広げた。郷土色豊かなお国自慢の出し物が、次から次へと演じられ、会場を大いに沸かせた。
 奨学金の授与式では、各受賞者に賞状と1000ドルのチェックが贈られた。また、同奨学資金の運営に尽力した浅見紳太、伊藤富雄、野崎住吉の3氏が特別功労者として表彰された。当銘会長があいさつに立ち、各来賓が祝辞を贈った。
徳島県人会の舞踊「芸者ワルツ」で、かわいらしく踊る子供たち

徳島県人会の舞踊「芸者ワルツ」で、かわいらしく踊る子供たち

 当銘会長は、演芸会が奨学資金を捻出する重要な行事であると説明。「日本文化を継承する若い世代を育てるためであり『遺産の継承』となる」と、開催の意義を強調し、継続した支援を求めた。堀之内秀久・在ロサンゼルス日本総領事は、多彩なショーを鑑賞し「LAの日系社会のメンバーは、芸能の天才だと思った」と称賛。「ただ楽しむだけではなく、次の世代のためにいいことをしている」と述べ、奨学制度を高く評価した。
 育英奨学金の受賞者は、将来が嘱望される長井翔さん(珠算、算盤、暗算)、木村名実さん(日本語)、金川晴佳さん(小倉祇園太鼓)、ジョセフ・神谷さん(沖縄三線)の4人。受賞者を代表し、木村さんがきれいな日本語で謝辞を述べた。日本人、日系米人として両国の文化の狭間で生きてこられた理由を「県人会や日系社会のみなさんのおかげがあったこそ」と、感謝に堪えない様子。「受賞を励みにして、日本の伝統と文化、和の心のすばらしさを大切にし、未来の世代に伝え、日米の懸け橋となり貢献したい」と抱負を語った。
五島有紀、熱唱で観衆魅了
「日米の懸け橋になれた」

 第2部では、特別ゲストの演歌歌手、五島有紀が抜群の声量で熱唱し、観衆を魅了した。選曲は、参加者の年齢層に合わせたといい、美空ひばりの「川の流れのように」や、懐メロ、民謡メドレーを聴かせた。オリジナル曲は「夢のかけはし」を含む3曲を披露。歌のみならず、得意の話術でも笑い
8曲を熱唱し、観衆を魅了する五島有紀

8曲を熱唱し、観衆を魅了する五島有紀

を誘い、大いに盛り上げた。ステージを下りて、会場を練り歩いて歌い、会話や握手するなど、ファンサービスに努めた。
 長崎出身の五島は、同県人会の前田拓会長から花束を贈られた。「海がきれいで、静かな町」などと、上京する16歳まで過ごした故郷の魅力を紹介する一方で、被爆にふれて平和の尊さを訴えた。演歌歌手としての誇りを胸に「先輩たちが歌った名曲や懐メロを、われわれ若者が歌い継いでいきたい」と抱負を述べた。
 リクエストに応えて計8曲を歌い上げた五島は「緊張したけど、みなさんに歓迎してもらったので、ほぐれた。大きな拍手と声援をもらい感激した」と喜んだ。県人会協議会の活動については「故郷を大事に思い、50年も活動している。若者も育て、日本文化を守っている」と感服した。文化伝承の受賞者4人に向けて、演歌を歌い継ぐ自身に通じるとし「頑張ってほしい」と前途を祝した。初のLA公演について、持ち歌にかけて「日本とアメリカの『懸け橋』になることができた」と胸を張った。
奨学金受賞者(後列)への授与式と、特別功労者の表彰式。前列は、中央が堀之内総領事、左端から伊藤さん、浅見さん。右端は野崎さん、左隣が当銘会長

奨学金受賞者(後列)への授与式と、特別功労者の表彰式。前列は、中央が堀之内総領事、左端から伊藤さん、浅見さん。右端は野崎さん、左隣が当銘会長


元気よく「ヤングマン」を合唱する鹿児島県人会のカルカン・コーラス

元気よく「ヤングマン」を合唱する鹿児島県人会のカルカン・コーラス

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