変わりたい気持ち

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 人は誰でも、自分とはまったく別の身分や外見になりたいという欲求、変身願望を持っているという。その対象は超能力の持ち主だったり、カッコいいアニメの主人公だったり、可愛い動物だったり、さまざま。
 しかし、簡単には変身できない現実を前に、時に空想し、はたまた仮装や変装、コスプレに興じたりしてストレスを発散させ、「変わりたい気持ち」を癒している。
 小さな子どもたちが、魔女や妖精、妖怪、お化けといったハロウィーン・コスチュームの定番とされる格好をしてドアからドアを訪問して「Trick-or-Treat!」と叫ぶ。その姿は、子どもなりの変身願望を満たしている上に、菓子類まで手に入るのだから、彼らにとって一石二鳥の大きな喜びに違いない。
 そんな可愛い子どもたちを迎える家々では、Jack-o’-lantern を飾ったり、キャンディー類を用意したり、結構せわしい。特に高齢者の三分の一は1人住まいで、その多くは女性という今の社会状況の中では、ハロウィーンの準備にも手間ヒマがかかる。それでも、思い思いに仮装してやって来る子どもたちを迎えることは、シニアにとって大きな楽しみ、喜びなのだ。
 こうしたシニアを手助けしてキャンディーを購入し、ドアにハロウィーン用の飾り付けをし、次から次へとやって来る子どもたちの応対までしてくれるサービスもある。いかにもアメリカらしい一面。
 その半面、子どもたちに紛れて、歓迎されない人もやって来ることがあるのもアメリカ。シニアの1人住まいをいいことに、トイレを使わせてくれ、電話を貸してくれ、水を1杯飲ませてくれなどと言って家の中に入り込み、すばやく物品を持ち去るケースも報告されている。
 こうした被害を未然に防ぐには、家の内外の灯りをつけて明るくし、テレビなどもつけて人がいるように見せ、用意したキャンディー類がなくなったらドアをロックし、「Sorry, No More Candy」の張り紙をドアにはるといいそうだ。
 ともあれ、日本のサブカルチャーの代表ともいえるアニメやコスプレがアメリカでも人気となっている現在、子どもから大人まで、斬新奇抜なメイクや服装によってどんな「変身」が見られるのか、楽しみも倍増しそうな今年のハロウィーンはすぐそこ。【石原 嵩】

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