大統領の継承順位

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 大統領選挙の合間に行われる中間選挙が11月頭に迫る。100人在任する上院議員の3分の1にあたる36人、下院全議席の435人や州知事などが改選する重要な選挙だ。
 上院議員の任期6年に対し、下院の2年は短い気もするが、頻繁に変化する国民の意見を反映出来るようにとの意図だ。上院議員は「州の代表」、下院議員は「国民の代表」との見解である。大統領は現行法では2期(最長8年)までに制限。両院議員とも任期制限がない。実は副大統領もない。
 大統領は、軍の最高司令官という重大な役割を含め、全ての行政権を担う。万が一、人質、病気、死亡、辞職、免職やなんらかの理由で能力喪失、職務不能に陥った場合、憲法による継承順位は、⑴副大統領、⑵下院議長、⑶上院仮議長、⑷国務長官…等、さまざまな長官が続き、18番目に国土安全保障長官が制定されている。50年近く在任した日系人の故ダニエル・イノウエ上院議仮議長は、継承順位3番目だったことになる。
 この「上院仮議長」という言い方だが、英語では「President pro tempore(一時的に、臨時に)」という意味で、最長老議員が努めるのが慣例だ。名誉職に近い。「正式な上院議長」は副大統領が兼務するが、上院議員でないため、可否同数の場合を除き表決権を有しない。形式的なものである。
 継承順位1番目の副大統領はずっと変わりないが、1792~1886年までは上院仮議長が2番目、下院議長が3番目だった。1886年からこの2つの議長は継承から除外され、1947年まで閣僚の国務長官が2番目であった。
 フランクリン・ルーズベルト大統領が第二次世界大戦中に急死し、わずか82日の副大統領任期を経てトルーマンが大統領に就任した。そして公選職でない長官が継承するのに懸念したため、順位の見直しを図った。「国民の代表」を重視して、下院議長を2番目に、上院仮議長を3番目に、以前とは順位を逆にして再び入れ戻した。大統領が当時の下院議長と仲が良かったからという説もあるが…。
 ちなみに大統領になる条件は、アメリカ本土に生まれた市民で、35歳以上、14年間アメリカに住んだ人である。
【長土居政史】

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