「おもてなし」で「ファインプレー」を

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 最終戦まで熱戦続きで沸いたワールドシリーズ、そして日本シリーズも幕を閉じ、日米で頂点が決定した。長丁場のシーズンが終わった毎年のこの頃は、秋の深まりとともに、ファンは寂しさを覚える。だが、今年は大きく異なる。ワクワクしてたまらないのは、10日から日米野球が開かれるからだ。
 日米野球の歴史を紐解くと、船で太平洋を渡った時代の1908年(明治41年)が始まりで、実に100年を超す伝統を持つ。ベーブ・ルースを筆頭に伝説の選手たちが格の違いを見せつけ、日米野球は日本の野球界発展に寄与する役割を果たしている。
 近年は盛んに開かれていたものの中断し、今回は8年ぶり。ワールドベースボールクラシック(WBC)で2連覇したおごりからか、プロ野球選手会は「(日米野球は)一定の役割を終えた」などと、参加に難色を示していた。だが、前回のWBCでの惨敗で襟を正し、世界王座奪回に向け代表チームを常設。小久保監督率いる侍ジャパンは、日米野球を強化試合に指定し強者に挑む。
 日本人大リーガーにとっては、「凱旋試合」となる。かつては、野茂、イチロー、松井秀、佐々木などが、ファンへの恩返しとばかりに、全力プレーを披露した。今回は和田のみで、ファンが田中将、ダルの勇姿を拝むことができないのは寂しい。日米野球で活躍した日本選手は「アメリカでも通用する」と自信を強める。今年はメジャー志向を抱く2人に注目したい。投打の二刀流をこなし100マイル超の剛速球を投げる大谷、そして前田はすでに、大リーグ公式球で投球練習を行っていて頼もしい。
 取材を通し、訪日したメジャーの選手と監督に日本の印象を聞くと、みんな喜んで思い出を語ってくれる。ドジャースを率いたラソーダ元監督は「世界トップレベルの選手が野球の技術を高め合うだけでなく、日米が文化交流するのが意義深い」と強調し、「ナガシマ、オウ、シバタ…」など、次から次へと往年の名選手の名を列挙し懐かしむ。帰国した選手が口を揃えるのは「日本では敬意を払ってもらい、大事にしてくれた」と喜ぶ。今年もプレー以外での「おもてなし」の「ファインプレー」に期待が寄せられる。【永田 潤】

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