解散・総選挙

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 日本の衆議院が解散された。正直のところ私には今回の解散は唐突の感が否めない。安倍首相はアベノミクス継続の是非を争点とし、直近のGDP(国内総生産)の伸び率が2期連続のマイナスとなったことなどを受け、来年10月に予定されている消費税率の引き上げを1年半先送りする判断などについて国民に信を問いたいとしている。しかし今回の消費税率引き上げ法には付帯条項があり、延期も可能であったはずだ。また、与野党の大勢が先送りを主張しているのだから、ここで本当に国民に信を問う必要があるのか、はなはだ疑問に感じる。
 政治には、ある種の駆け引きがあり、野党の中には政策の不一致、党内不和などが目立って、立候補者の調整すらままならぬ政党も存在しているようなので、政権与党は自分たちが有利なうちに(少なくとも不利な材料が増えないうちに)解散・総選挙を断行しようということなのかもしれない。
 ただ、安倍内閣にも閣僚の不祥事、国民生活向上の遅れなどにともなう内閣支持率の低下がこのところ目立っており、気になるところだ。
 安倍首相は就任以来、歴代内閣最多といわれる外交日程を精力的にこなし、日本の経済、安全保障上の存在感を高めている努力を私は評価する立場だが、これから年の瀬に向かい、緊急課題が山積している今このときに、なぜ政治の空白を生じさせ、そのうえ、600億円とも700億円ともいわれる選挙費用を国民の税金から使わなければならぬのか。
 それより、政府、国会はこれまで国民に約束した「身を切る改革」をどれほど達成したのか。
 とはいえ、解散は断行された。選挙自体は有権者が政治に対し意思表示する唯一のチャンスだ。各党、候補は政策を明確に示し、政局のための選挙にならないようにしてほしいものだ。
 政治の責任は最終的に有権者ひとりひとりに帰する。海外に住み、在外投票権を持つ日本人は日本の国政について責任の一端を担っていることを強く認識し、定められた日程内に投票権を行使し、明日の日本と世界のため、意思表示をすることにしよう。【河合将介】

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