高校生3人が米研修:「将来に役立てる」と大志抱く

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礼文町海外交流事業

地元の中学校で開かれた日本文化の紹介イベント「ジャパン・デー」で、お手本を示し「礼文」と揮毫して、拍手をもらう研修生3人

地元の中学校で開かれた日本文化の紹介イベント「ジャパン・デー」で、お手本を示し「礼文」と揮毫して、拍手をもらう研修生3人

 北海道礼文町の海外交流事業で来米した礼文高校1年の宮崎唯斗さん、笹森和さん、佐藤レイさんがこのほど、南カリフォルニアで2週間の研修を行った。異文化に触れながら、各所を訪れ精力的にプログラムをこなし貴重な経験を積んだ3人は、滞米中に収めた成果を町に伝え、「将来に役立てたい」と大志を抱いた。

 研修生にとって初めて訪れたロサンゼルスは、目にするすべてが新鮮に映る。人口約2800人という、のどかな礼文町と大きく異なり、建物の大きさや道幅の広さ、フリーウエーの交通量の多さ、体格の大きさ、食事の量の多さなどに圧倒されたという。飲食店でのチップや家でも靴を履いたたまま暮らす習慣などに「カルチャーショックを受けた」が、そこは若い高校生だけに即座に適応。米国人家庭にホームステイし、生活習慣や生きた英語を学びながら、多くを吸収した。
 プログラムでは、中学校と高校を訪問して授業を見学した。日本の静かで生徒が受け身的な授業と比較し「手を挙げて積極的に発言し、ワイワイ、ガヤガヤと楽しんでいる」「先生と生徒がフレンドリーに会話を弾ませている」「制服ではなく、私服で自由な雰囲気」などと違いを学んだ。米国の生徒とは、ハロウィーンのコスチュームを着て写真を撮ったり、年齢を教え合い、好きなスポーツや日本のアニメなどの話題で盛り上がったりし、交流を堪能した。
 生徒は訪問先の学校やホストファミリーを招いたパーティーなどで、礼文町の魅力についてスライド写真を使って英語で発表した。日本最北端の町であるため寒さは厳しいが、四季があり、国立公園とそこに自生する町の花、高山植物は「とても美しく」、名所に昇る朝日と大空を染め海に沈む夕日は「絶景」。海の幸に恵まれ、ウニやほっけ、昆布などは「どれもとてもおいしい」と強調した。「礼文に来て下さい」と呼びかけ、観光親善大使としての役目もこなした。学校生活は、制服着用の校則や、授業の風景、弁当を広げて食べる昼休みの様子などを動画で紹介し、大きな拍手を受けた。
 同校から引率した板橋翔教諭によると、礼文町の同事業は、2012年に始まり今年で3回目。町は進行する高齢化、過疎化に対応するため、若者の人材育成に取り組み、米研修費全額を負担し「希望のプログラム」として期待を寄せているという。板橋さんは、生徒の研修での成長について「片言の英語でも、頑張って話そうとするようになった。来た当初よりもコミュニケーションが取れるようになった」と評価した。生徒は帰国後、研修の成果を全校生徒と教育委員会の担当者に向けに発表し、事業の継続と町の発展に役立てる。
 自動車好きの宮崎さんは、卒業後は専門学校に進み、整備士になる目標を持つ。米国には、礼文町ではあまり見られない電気自動車やハイブリッド車、省エネなどのエコカーが走っており「環境のことを考えていて、勉強になった」。車のショールームを見学しては「フェラーリとポルシェを見ることができて嬉しかった」とし、ストレッチのリムジンについても興奮した面持ちで語った。研修を通し「アメリカ人は、怖いイメージがあったけど違った。心の温かさを知ることができてよかった」と話した。
 佐藤さんはホームステイ先で、ホストマザーが子供を叱った後に「アイ・ラブ・ユー」と言って慰めたことに感銘を受けたという。このような米国人の愛情表現を学んだことが大きいとし「自分の子供にもそのようにして、優しく育てたい」と話した。中国・大連出身で、国際関係に興味を持ち堪能な中国語と、日本語、英語の3カ国語を生かした通訳を志す。将来は、母国と日本、米国にかかわり「懸け橋になりたい」と抱負を述べた。
 中学の時に抱いた「海外が好きで、アメリカに行ってみたかった」という笹森さんは、米研修に参加するために礼文高校に進学した。子供が大好きで、将来は保育士を志望する。米国の幼稚園の誕生会を見たり、ホームステイ先の子供と遊んだりして「アメリカ人の子供もとてもかわいかった」と話し、ふれあいを楽しんだ。ラスベガスの華やかさや、グランドキャニオンの雄大さにも感動し「アメリカはとてもいい国で、学ぶことが多いので、今回の3人よりももっと多くの生徒が来てほしい」と希望し、後輩に参加を促す。
 礼文町の生徒は、北海道出身で南加道産子会会長を務めた阿岸明子さんが毎年受け入れている。阿岸さんは、この研修について「アメリカの文化を学んで視野を広げ、自然を体験できるすばらしいプログラム」と説き「礼文町からもっと多くの生徒に来てもらうために、道産子会と協力して体制を整え、支援を継続したい」と語った。【永田潤、写真も】

ホストファミリーとのお別れパーティー。前列左から2人目から教師の板橋さん、佐藤さん、宮崎さん、笹森さんと、阿岸さん

ホストファミリーとのお別れパーティー。前列左から2人目から教師の板橋さん、佐藤さん、宮崎さん、笹森さんと、阿岸さん

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