もしもペットになれたなら

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 批判を恐れずに言えば、ペットの代表格は犬とネコだろう。熱帯魚や鳥類、爬虫類を飼っている人も結構いる。ペットを飼う際に、一番世話がかからないのは亀だそうな。庭で放し飼いにしておけば、自由気ままに生活している。鶴は千年、亀は万年といわれるくらいだから、おそらくは飼い主よりも長生きするのだろう。
 ペットと暮らしていると、ふと、思うことがある。多くの人に飼われている犬やネコは、毎日なにを考えながら生きているのだろうか、と。
 15年飼っていた犬を亡くして数年後、シェルターから双子の子猫を引き取った。じゃれ合ったり、追いかけっこをしたり、とても仲が良い。そうかと思えば別々の場所で眠ったりしている。一応の縄張りがあるのだろうか?
 ペットにだって感情があり、常に何かを考えて行動しているのだと思う。その多くは、おそらく食べ物のことに違いない。お腹がいっぱいになったら、遊ぶこと、眠ることに考えがおよぶ。飼い主のことも、時には思い出すのか、姿を見せないと探しまわる。盲導犬などは常に仕事のこと、パートナー(飼い主)のことに神経を集中させている。大変なことである。
 多くのペットは、基本的な躾(しつけ)を学んだら、あとは特に宿題も期末試験もないから勉強のことは頭にないはずだ。もっとも、中には向学心があって、文字を習ったり、芸を磨いたりするペットもいるから、特技を発揮するペットは単に飼い主を喜ばすためだけに学習しているのではないのかもしれない。
 思考力があるということでは、人間と同じ能力を備えているようにもみえる。もっと言えば、自然界に対する反応、予知能力では人間より動物のほうがはるかに優れているのは間違いない。地震や火山噴火を事前に察知して、安全な場所へ移動する例など数多く報告されている。
 予知能力に劣るわれわれ人間はどうなのかといえば、神や仏や自然界の現象などを拝んだり祈ったりして、さまざまな不安から逃れる術(すべ)としている。100%の保障が得られないのを承知して、自己を納得させていると言ってもいいだろう。
 もしも生まれ変わることができるなら、人間よりはるかに視聴嗅覚に優れている犬やネコになって、彼らの能力の一端を自ら体験してみたいなどと思う、歳末の忙中閑ありのひととき。【石原 嵩】

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