聖徳絵画記念館を見て

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 11月最後の土曜日、神宮外苑の銀杏並木を見ようと高校同期の仲間で集まった。あいにくの雨だが、黄色く色付いた両側のイチョウ並木が雨にしっとりと映えて美しい。打合せのあとは聖徳絵画記念館を見ようと衆議一決。紅葉した木立沿いに絵画記念館へ回ると、イチョウ並木のパレードを終えたクラシックカーが広場にずらりと並んでいる。
 この聖徳絵画記念館は明治天皇の事蹟を日本画で展示した記念館で、左右の展示室に飾られた縦3メートルの日本画80枚を見てゆくと明治期の歴史がわかる。奉納は伯爵や公爵などの貴族や著名な高官・実業家が多い。一巡すると明治期は天皇も官吏も軍人も、いや一般の国民も、いかに新生日本を立て直し世界の列強に伍することができるのか、国を思う志が伝わってくる。
 明治天皇は16歳で即位し、御所に籠ることなく勉学に励みご進講を受け、外国使節に会い積極的に全国各地の視察に赴いた。元老たちや側近任せでなく、天皇ご自身も自ら全身全霊で新生日本の建国に邁進したことがわかる。大政奉還により王政復古が実現し年号が明治と改まった。廃藩置県、廃刀令、佐賀の乱、西南戦争と内乱が起き、日清戦争、日露戦争と、一歩誤れば国の破滅という大波にもまれる中を、人々は必死になって各々が志に燃えて生きた様子が伝わってくる。
 おりしも、11月下旬に政局が急速に動き、衆議院が解散され12月14日投票の師走総選挙となった。各野党はさまざまに連携を目指して画策したが不意の解散で準備不足は覆いようもない。12月2日に選挙は公示され冬の到来をよそに各党は一斉に熱い選挙戦に突入した。安倍政権で日本の政治が安定を取り戻し、ようやく経済の再生が始まったがアベノミクスも道半ば、日本経済の立て直しはこれからである。いまや政治と経済は一体となり、外国投資の動向や国際的な経済連携が国の経済を左右する。国際政治が国の経済に密接に結びつくようになった。各候補者は他党の非難のみに頼らず、国際情勢を視野に入れて日本の将来を見据えた政策を訴えてほしい。明治期の熱気を絵画館にみてこんな感慨にとらわれた。【若尾龍彦】

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