若者たちの厭世観

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 にわかに信じがたい数字だ。米映画制作者、マーク・ジョセフ氏が制作したドキュメンタリー映画『Japan: Searching For The Dream』が紹介する世論調査の結果だ。
 日本の若者たちを対象に彼らの生活観、人生観、宗教観を聴取したものだ。
 なんと85%が「自分が生きている理由が分からない」と答え、11%が「自分なんか、生まれてこなければよかった」と回答している。
 このドキュメンタリー映画は、日本生まれのジョセフ氏がギャラップ社とタイアップして企画・制作した。
 世論調査が弾き出した数字をなぞるように新宿や渋谷にたむろする若者から超秀才の東大生、若いお坊さん、人目を避けて生きる同性愛者たちの姿を追いかけている。
 なぜ、日本のティーンズはこれほどまでPessimistic(悲観的、厭世的)なのか。ジョージ・ギャラップ氏はこう分析している。
 「日本のほとんどの若者は、人生とはなにか、幸福とはなにか、といったEthical(倫理的)な事柄について考える際、Absolutes(絶対的なもの)といった概念が思考回路から完全に欠落している。つまり自分自身も含め、すべてのことをRelativistic(相対的もの)としか受け入れられなくなっているからだろう」
 若いのだから投げやりになることもあるだろう。刹那的に生きる時期もある。が、100人中11人が「生きてこなければよかった」とは。ちなみにアメリカの若者で同じ答えをしたのは100人中3人だ。
 このドキュメンタリーに登場する青少年たち。川崎で起こった中学生殺害事件とが重なり合って、物悲しくなってくる。【高濱 賛】

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