生徒2人がホームステイ:異文化にふれ貴重な経験

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鹿児島・鹿屋から

アーバインの中学校で交流する福留さん(中央左)と宝満さん(右隣)

アーバインの中学校で交流する福留さん(中央左)と宝満さん(右隣)

 鹿児島県鹿屋市立吾平(あいら)中学に今春入学する宝満千晶さんと、福留百音(もね)さんが、ホームステイプログラムを利用し先月末、来米し6日間の滞在で南カリフォルニアの各所を訪問した。地元中学校に体験入学するなど、異文化にふれた貴重な経験を「将来に役立てたい」と、大きな夢を膨らませた。

ダウンタウンのアートディスクリクトで開かれたファーマーズマーケットに行き、カメラを構える福留さん(左)と宝満さん

ダウンタウンのアートディスクリクトで開かれたファーマーズマーケットに行き、カメラを構える福留さん(左)と宝満さん

 プログラムは、アーバイン在住の朝倉巨瑞(ゆうま)・貴代さん夫妻が鹿児島の地元に呼びかけた。貴代さんは吾平小・中学の卒業生でまた、息子3人が同2校に体験入学したことから、恩返しのつもりで生徒の受け入れを思いついたという。
 人口約7500人という小さな鹿屋市吾平町に対し、ロサンゼルスは宝満さんと福留にとって大都会である。ダウンタウンの摩天楼、建物の大きさ、フリーウエーの広さと交通量の多さ、米国人の体格、食事の量の多さなど、スケールが違い「すべてが大きく、びっくりしている」と圧倒されながらも、そこは順応性に富んだ子供たち。ハリウッドサインや海に沈む夕日など、見るものすべてに感動し、興味津々でカメラを構えて夢中でシャッターを押していた。
 日本人町の存在を知らずに小東京を訪れ、お寺に櫓、日本料理店、漢字や平仮名で書かれた商店の看板を目にし「日本にいるみたい」と驚いたという。全米日系人博物館の見学では、農業移民の不撓不屈の精神に感銘を受け、夫妻からは116年の歴史を持つ鹿児島県人会について教えられた。鹿児島からの移民について宝満さんは「アメリカのことを何も知らないのに移り住んで、頑張って働いてすごいと思う」。福留さんは「言葉が通じずコミュニケーションが難しかったと思う。そういう努力を見習いたい」と、刺激を受けた様子だった。一方で、排斥運動や第2次大戦にともなう強制収容など、日系史に残る被差別も学習した。
鹿屋で会って以来の再会を果たした(左から)宝満さん、福留とさんと朝倉タイラさん

鹿屋で会って以来の再会を果たした(左から)宝満さん、福留とさんと朝倉タイラさん

 2人は、朝倉さんの息子代瑞(タイラ)さんが鹿屋の吾平小で学んだ時の級友であり、久々の再会を喜んだ。代瑞さんが通うアーバインの中学を訪れ、歴史と国語、体育の授業を受けた後、ランチをともにし交流を堪能。お土産は、日本のコマ、剣玉、折り紙、カルタ、ビー玉、おはじきを用意した。連絡を取り合うために電話番号や住所などを交換したという。
 女子プロゴルフの大会を観戦したのは、今季から米ツアーに本格参戦した鹿屋出身の横峯さくらさんを応援するためだ。「頑張って下さい」の声援は届き、横峯さんはイーグルを記録するなどの活躍で8位タイの好成績を挙げ、翌週のメジャー大会の出場権を獲得。試合後は、サインをもらって郷土の英雄と記念写真に納まった。
 2人は、さまざまな体験を通じて海外志向を高めた様子で、福留さんは
中学の校長先生(中央)から歓迎を受ける福留さん(左)と宝満さん(右)

中学の校長先生(中央)から歓迎を受ける福留さん(左)と宝満さん(右)

「次に来る時はアメリカ人と会話ができるように英語の勉強を頑張りたい」と抱負を述べた。「大リーガーになりたい」と大志を抱く野球少年の宝満さんは、本場に来て、夢をいっそう膨らませ「まず甲子園に出て、それからプロ野球で活躍して、アメリカに来たい。ジーター選手のようになりたい」と、声を弾ませた。
 同プログラムは今年が初めてで、朝倉夫妻は今後、鹿屋から毎年、春休みに生徒を迎える意向を示している。貴代さんは、プログラムについて「鹿屋は田舎なので、子供たちにアメリカを見るチャンスを提供し、世界に出るきっかけを作りたかった」と説き、今回の2人については「アメリカで見聞きした体験を大切にし、将来に役立てて、大きな夢を持って成長してほしい」と願った。【永田潤】
羅府新報を訪れた朝倉夫妻(両端)と宝満さん(中央左)と福留さん(同右)

羅府新報を訪れた朝倉夫妻(両端)と宝満さん(中央左)と福留さん(同右)

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