世界から知的障害者6500人:LAで9日間、熱戦を展開

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スペシャルオリンピックス

歓迎会でウエストコビナ市民から声援を送られ、元気よく飛び出す日本のアスリート

歓迎会でウエストコビナ市民から声援を送られ、元気よく飛び出す日本のアスリート

 知的障害を持つ人たちのためのスポーツ競技会「第14回スペシャルオリンピックス夏季世界大会・ロサンゼルス」が25日(土)から8月2日(日)の9日間、LAで開催される。世界165カ国から選手約6500人とコーチ約3千人が集結し、26競技で熱戦が繰り広げられる。日本からは77選手が11競技に参加し、在米邦人の日本語の応援を待っている。

体操競技でメダルを獲得しポーズを決めるアスリートたち©Cory Hansen

体操競技でメダルを獲得しポーズを決めるアスリートたち©Cory Hansen

 今大会には3万人のボランティアが参加し、50万人以上の観客動員が見込まれている。今年開催されるスポーツイベントとして、世界最大の大会となり、当地で開催としては1984年のロサンゼルス五輪以来の大きな規模となる。
 開会式は、32年と84年に五輪が開催された歴史的なロサンゼルス・メモリアル・コロシアムで25日に催され、約8万人の観客が見込まれ、スティービー・ワンダーなどの有名アーティストも多数、出演し開幕に花を添える。
 同大会はオバマ大統領夫妻が大会名誉会長、エリック・ガーセッティーLA市長とジェリー・ブラウン加州知事が共同大会委員長を務める。期間中、26競技がロサンゼルス全域の27会場で開催され、ESPN局が世界に向けて放送する。
メダルを手に喜ぶ競泳のアスリート©Cory Hansen

メダルを手に喜ぶ競泳のアスリート©Cory Hansen

 日本選手団(大和田誠団長)118人(選手77人、パートナー6人、役員・コーチ35人)は21日に現地入りし、選手は最終調整に努めている。
 公益財団法人「スペシャルオリンピックス日本」の理事長は、元女子マラソン五輪代表で、2大会連続メダル(バルセロナ大会銀、アトランタ大会銅)を獲得した有森裕子氏が務めている。有森氏は、現役時代の経験から「外国の大会では、日本語の声援は励みになる」とし、当地在住の日本人の応援を呼びかけている。
 ▽大会の競技は次の通り。
 水泳、陸上、バドミントン、バスケットボール、ビーチバレーボール、ボッチャ、ボウリング、自転車、馬術、サッカー、ゴルフ、体操、新体操、ハーフマラソン、ハンドボール、柔道、カヤック、長距離水泳、パワーリフティング、ローラースケート、セーリング、ソフトボール、卓球、トライアスロン、テニス、バレーボール
 スペシャルオリンピックス夏季世界大会・ロサンゼルスの詳細はウエブサイト― 
 www.la2015.org/

スペシャルオリンピックス
 1968年、ケネディ元大統領の妹ユニス・シュライバー氏(ケネディ駐日米国大使の叔母)が当時、スポーツを楽しむ機会が少なかった知的障害のある人たちにスポーツを通じ社会参加を応援する目的で「スペシャルオリンピックス」を設立した。約50年におよぶ活動を経て、現在では世界170カ国以上、400万人のアスリートと100万人のボランティアが参加する国際的なムーブメントに発展している。

地元のサウスヒルズ高校のチアリーダーズと記念撮影に納まる日本のアスリートたち

地元のサウスヒルズ高校のチアリーダーズと記念撮影に納まる日本のアスリートたち


 日本選手団一行は、開幕を控えた22日から24日まで、ホストタウンを務めるウエストコビナ市に滞在し、バーベキューパーティーや、野外でのコンサートなど、さまざなイベントに参加。異文化を吸収し、貴重な経験を積んでいる。行く先々で歓待を受け、親善大使としての役割もきっちりとこなしている。
ランチは、ハンバーガーとホットドックが振る舞われた。ご馳走を前に笑顔のアスリート

ランチは、ハンバーガーとホットドックが振る舞われた。ご馳走を前に笑顔のアスリート

 22日に同市の野球総合施設で開かれた歓迎会では、市関係者と市民、地元3つの高校のチアリーダーズとマーチングバンドがパフォーマンスし、選手団を激励した。
 フレドリック・サイクス市長は「ようこそ、ニッポンチームのみなさん。ウエストコビナ市は、みなさんを歓迎します。この3日間、いろんなイベントを用意しているので、楽しんでほしい」と呼びかけた。
 同市は、栃木県大田原市と十数年来、姉妹都市関係にある。小中高の交換学生プログラムを持ち、毎年の夏休みに訪日する親日家が多く暮らす。沖縄系3世のジェームズ・トマ副市長によると、85都市のホストタウンの中で、いの一番で同市が受け入れの名乗りを挙げたという。日本チームのホストを希望し、抜群の実績から、もちろん認められた。
 大田原市との草の根交流を推進する「東サンゲーブルバレー日系コミュニティーセンター(ESGJCC、フィリップ・コマイ会長)」は、メンバー約30人が奉仕し、全イベントでの通訳や音頭を一緒に踊り交流する。コマイ会長は、選手に向け「アメリカの
おみやげを手渡し、ウエストコビナ市長(右)と握手する日本アスリートの2人の代表。2人は英語で立派にあいさつした

おみやげを手渡し、ウエストコビナ市長(右)と握手する日本アスリートの2人の代表。2人は英語で立派にあいさつした

文化を吸収しながら、日系社会との付き合いを楽しみ、いい思い出を作って大会に臨んでほしい」とエールを送った。
 大和田団長は、同市の歓迎に「温かく迎えてもらい本当にありがたい」と感謝する。大会について「勝ち負けにこだわるのではなく、世界の仲間との出会いを大切にすること」と、参加の意義を強調。選手に対し「『ベスト』というよりも『持っているもの』を一生懸命すべて出し切って、達成感を持ってもらえればうれしい」と願った。
 バスケットボールチーム主将の早船曜子さんは、初の世界大会参加に少々、興奮気味。予期せぬ大歓迎に「試合だけと思っていたので、びっくりしている。とてもうれしい」と喜んだ。選手団全体の雰囲気については「みんな緊張してたけど、ここに来て気持ちが盛り上がっていて、いい感じ」と述べ、大会に向け「今日1時間練習して、調子はいい。1勝、1勝を重ねて、ベストを尽せればいい。できれば金メダルをとりたい」と抱負を述べた。【永田 潤】
【写真上】「君が代」を斉唱するウエストコビナ高校の合唱部。指導したタイラー・ウィグルズ部長(中央)が指揮し、きれいな日本語で美声を響かせた【同下】「君が代」は日本選手団も加わり、日米の大合唱となった

【写真上】「君が代」を斉唱するウエストコビナ高校の合唱部。指導したタイラー・ウィグルズ部長(中央)が指揮し、きれいな日本語で美声を響かせた【同下】「君が代」は日本選手団も加わり、日米の大合唱となった


ウエストコビナ商工会議所からは、表彰状が贈られた。左から2人目が大和田誠団長、右隣がジェームズ・トマ副市長、右から2人目がフレドリック・サイクス市長

ウエストコビナ商工会議所からは、表彰状が贈られた。左から2人目が大和田誠団長、右隣がジェームズ・トマ副市長、右から2人目がフレドリック・サイクス市長


サウスヒルズ高校のマスコット「ハスキー」を挟んで記念撮影する同校チアリーダーズと日本のアスリート

サウスヒルズ高校のマスコット「ハスキー」を挟んで記念撮影する同校チアリーダーズと日本のアスリート

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