外国に住むということ

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 普段の生活では、支障を感じることがなくても、何かちょっとしたことから、自分が外国に暮らしていると意識させられることがある。永住権の更新手続きを怠って不法滞在になっていた、労働ビザの更新が認められなかったなど、いろいろなケースを耳にすると、他人事ではないと思う。
 海外旅行をしないからパスポートの期限が切れていることに気付かない、ビザ等の更新時期を確認していない、それも出国しなければ特に問題にされることはない。そのため、うっかり忘れて、病気や事故などで更新が遅れて、何か起こった時に、困った事態に遭遇することもある。
 実は、知り合いが何も持っていない状況で、しかも自分で出歩くこともできない、そんな中で日本の年金受給を継続するための現況届提出に在留証明書の添付ができないでいる。それに代わる方法がないわけではないことが分かったが、まだできていない。
 このことから、外国に住む日本人が常に自分の立場を意識していないといけないと教えられた。もちろん、その国の市民権を取得していれば別だ。
 異国に移り住んで、高齢になってから、身分を証明できるものを継続保持は難しいように思う。家族がいればまだ何とかなるかもしれないが、独り身で、病気や認知症になったり、身体に障害があればなおのこと。
 認知症の高齢者が行方不明になって何年とかいう人たちのことが話題になる。外国でそうなったら、と気になる。身分証を所持していないで、意識不明で病院に運ばれると、家族でも探すのが大変になる。そういう人がいることを見ていると、どんな時でもIDカード携帯は必要だと思う。
 アメリカンドリームを描いて、渡米しても全ての人が成功するとは限らない。ビザの取得、永住権取得が何の問題もなくできた人たちがいる一方で、挫折して帰国する人や不法滞在でも帰国できない人など、それぞれ抱える事情がある。合法滞在でも、人種間の軋轢(あつれき)、経済的なことも含めて、大変だなと思うことがある。それが、外国に住むということだ、といってしまえばそうだが、関わるものは、何もできずただオロオロするばかり。【大石克子】

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