カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は10日、同州の労働法から米国外で生まれた外国人労働者を表記する際にこれまで使われていた「エイリアン(alien)」という言葉を削除する法案に署名した。来年1月1日から施行される。

 同法案はトニー・メンドーサ加州上院議員(民主・アーテジア選出)が提案した。
 労働法は労働問題に関する法令の総称で、加州では1937年から労働法の中で、米国外で生まれ、米国に帰化していない人々を表現する言葉として「外国人」を意味する「エイリアン」が使われてきた。メンドーサ議員は「エイリアン」にはネガティブな意味合いが含まれ、不名誉な印象が強く、適切な表現ではないとして使用を禁止すべきだと主張していた。
 連邦の移民法にはこれまで通り「エイリアン」という言葉が表記される。
 労働統計局が2013年にまとめた調査結果によると、米国には全労働者の16・3%に当たるおよそ2530万人の外国人労働者がおり、加州は全米でもっとも外国人労働者が多い州のひとつである。
 ピューリサーチセンターが行った調査結果によると、メディアにおける「不法入国者(illegal alien)」という表現の使用頻度は、もっとも多かった07年の21%と比べ、13年には5%にまで減ったという。
 ブラウン知事は同法案のほか、米国市民でなくても合法的に加州に住んでいる高校生であれば、加州で行われる選挙の際、世論調査を実施する職員として働くことを許可する法案にも署名した。加州ではこれまで16歳以上であれば、選挙職員として働くことが許可されていたが、米国市民に限られていた。

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