カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は7日、2030年までに加州のエネルギー供給資源の半分を、風力や太陽光発電など再生可能エネルギーに移行させる法案に署名した。地球規模の気候変動問題に対応する措置として今後実施されることになる。

 加州では06年に、20年までに同州のエネルギー資源の約30%を、太陽光や風力、地熱から供給する目標を設定しており、昨年までに25%を達成した。
 同法ではさらに、ソーラーパネルなどの活用で、住宅やオフィス、工場などの建物におけるエネルギー効率を30年までに2倍にする政策も盛り込まれた。
 同州のガソリン使用量を半分に抑える計画も提案されていたが、石油産業からの強い反対と、民主党議員からも十分な賛成を得られなかったため、同法には組み込まれなかった。
 環境に優しい電気自動車などは価格がガソリン車より割高なため、加州議員の中には、ガソリンなど石油資源の供給を削減することは、加州のワーキングクラスの人々の生活にも影響を与えるとして懸念の声が上がっていた。
 一方で環境問題の専門家らは同法を当初から支持していた。
 同法の成立により、今後加州では太陽光や風力発電設備の開発が活発になることが予想されるが、同時に、こうしたエネルギーは天候などに左右され、出力が大きく変動するため、電気の安定供給に問題が生じる可能性も指摘されている。こうした中、専門家は電気を蓄える蓄電技術の開発の必要性を訴えている。
 同法案を提出したケビン・デリオン加州上院議員(民主・ロサンゼルス選出)は、「同法は気候変動に対応する措置として世界をリードする取り組みとなる」と話す一方、「二酸化炭素の排出量削減や地球温暖化、大気汚染問題など、まだまだ解決すべき問題は山積みだ」と警鐘を鳴らす。
 ブラウン知事は今年はじめに、温室効果ガス排出基準を設ける提案を発表。7月にはバチカン(ローマ法王庁)で、世界各国の代表者が気候変動問題を協議する会合にも出席していた。【吉田純子】

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *