銃には花を

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 パリでテロが起こった後、「フランスは戦争状態である」と発表したフランスのオランド大統領の発表を聞いて愕然としました。その声に、相手に軍事力で立ち向かう姿勢を感じたからです。テロをされたら、もっと強い戦闘能力で攻撃し、お返しをするということです。9・11の後のアメリカの姿勢も同じであったと思います。しかしながら銃や兵器で反撃をするということは、相手にとっても、テロが起こるということです。テロに対してテロでお返しするということです。それは、家族を亡くした者が相手を憎み、その憎しみが世代を超えて連鎖していくということなのです。だから戦争は終わらないのです。こういった憎しみの連鎖が争いを増長させていくのです。
 パリでのテロ現場に花を手向けた父子がいました。子は父に「悪い人がいるから、ここから逃げないといけないんだ。悪い人が銃で撃つかもしれないからね」と言いました。父は静かにそして諭すように子に言いました。「私たちはここから逃げることも、銃を持つことも必要はないんだ」「私たちの前には花があるんだから、花で戦うこともできるんだ」と会話するビデオを見ました。そう、大切なのは銃で反撃することではなく、花を手向けることだということを子の父親に教えられました。憎しみの根を刈り取り、相手の心に花の種を蒔くことは、憎しみの連鎖を断ち切ることにつながります。
 正義とは何でしょうか。攻撃をしてくる相手に武力でお返しをするというのも、正義感をよりどころにしています。もちろんテロを正当化することは決してありませんが、銃を持つことも正義でしょうか、歪んだ正義感の洗脳を受けていないでしょうか。正義は自らの論理や都合で作り上げられることが多いのです。つまりは、正義感を振りかざすということは、対立を生むことにもなります。正義は相手に銃のように向けるものではありません。本当の正義は自分に対して向けるものです。自分に対して、真に正しい行いであるかを問うということです。【朝倉巨瑞】

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