
ホームレス人口の増加を受け、緊急対策費として1240万ドルを捻出することを決定したガーセッティーLA市長
ホームレス対策に同市が一般会計から資金を捻出するのは今回が初めて。
LA市では退役軍人のホームレスが増加していることも問題視されている。緊急対策費の配分は、退役軍人をはじめホームレスへの住宅助成金として1000万ドルを分配し、シェルターのベッド補充費用に170万ドル、そのほかホームレス追跡システムの改良や、既存のシェルターへのシャワーや倉庫など設備の充実を図るための改築費用に充てられる予定となっている。
今回の対策により、およそ1千人のホームレスへの住宅支援が実施される予定。
「ロサンゼルス・ホームレス・サービス局(LAHSA)」が今年行った最新の調査結果によると、同市のホームレス人口はおよそ2万6千人。13年調査時と比べ12%増加していた。うち1万8千人がシェルターなどにも入所せず、路上での生活を余儀なくされている。
深刻化するホームレス問題を受け、ガーセッティーLA市長は今年9月に非常事態を宣言。約1億ドルを捻出して対策に取り組む方針を固めていた。
エルニーニョ現象の影響により、LA市にも嵐の到来が予想されている。こうした中、低気温と豪雨が続いた場合、路上で生活する人々には危険がつきまとうとして、ガーセッティーLA市長は今回の決定に至ったと話している。
同市のホームレス問題対策委員会で委員長を務めるハリス・ドーソン市議は、「今回の対策費用の捻出は、同市が抱えるホームレス問題を解決する上で序章にすぎない。スキッド・ローやサウス・ロサンゼルスなどで増加の一途をたどるホームレスの生活を変えるためには、対策は急務である」と話している。

LA市の路上で至る所で目にするホームレスが暮らすテント