エネルギー省長官が視察:ガス貯蔵施設の規制強化訴え

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老朽化したガス貯蔵施設に関する規制強化を訴えるエネルギー省のアーネスト・モニツ長官(手前左)と、意見交換会に参加した(後方左から)ガーセッティーLA市長、シャーマン連邦下院議員、パブリー加州上院議員

老朽化したガス貯蔵施設に関する規制強化を訴えるエネルギー省のアーネスト・モニツ長官(手前左)と、意見交換会に参加した(後方左から)ガーセッティーLA市長、シャーマン連邦下院議員、パブリー加州上院議員


 ロサンゼルス北部ポーターランチにある南カリフォルニア・ガス・カンパニー(SoCal Gas Co)のガス貯蔵施設から大量のメタンガスが漏出した問題で16日、エネルギー省のアーネスト・モニツ長官が当地を訪れ、施設内を視察した。【吉田純子、写真も】

 昨年10月23日の事故発生から3カ月以上にわたって漏出を続けたガス貯蔵施設をモニツ長官が視察するのは今回が初めて。視察後、ブラッド・シャーマン連邦下院議員(民主・加州選出)、スティーブ・ナイト連邦下院議員(共和・加州選出)、フラン・パブリー加州上院議員(民主・アゴラヒルズ)、ロサンゼルス市のエリック・ガーセッティー市長、マイケル・アントノビッチLA郡参事官、ポーターランチを管轄する12区のミッチェル・イングランダーLA市議ら地元政治家を集め今回の問題に関する意見交換会が行われた。
 ガスが漏出したガス井は施設内に115基あるガス貯蔵用井戸のひとつ。施設内には1950年代に作られたガス貯蔵用井戸が多数あることからモニツ長官は「老朽化した貯蔵施設に関する規定をさらに厳格化することは必須である」と話した。また今回の事故に対してだけでなく規制強化は全米のエネルギー産業にも必要な措置であるとの見解を示した。
 ポーターランチの住民でもあるシャーマン連邦下院議員は、メタンガスは無臭で肉眼でも確認できないため、赤外線カメラを用いて施設内にあるすべての貯蔵井戸を調査すべきであると指摘。さらにメタンガス検知器を各所に設置し、計測量をオンラインで公表して24時間閲覧できるよう対策をとるべきと訴えた。
 環境防衛基金(EDF)によると3カ月以上にわたりSoCalGas の施設から漏出したメタンガスの量は推定9万6千トン。同社は11日に暫定的にガスの漏出が停止したと発表した。住民からはこれまでに鼻血や喉の痛み、頭痛、嘔吐などの健康被害が多数報告されている。
 カリフォルニア環境健康危害評価局(OEHHA)によると、漏出した物質の中にはメタンガスのほか、臭いでガスの漏洩を感知できるよう付臭剤として添加するメルカプタンと呼ばれる物質も含まれており、この物質は頭痛や吐き気などの症状を引き起こす。
 また塗料、印刷インキ、接着剤、ガソリン、シンナーなどに含まれる揮発性有機化合物(VOC)のベンジン、トルエン、キシレンも検出されており、こうした物質が大量に大気中に放出されれば健康被害の危険性もあると指摘されている。
 多くの住民が自宅を離れ、今もホテルやレントハウスに転居し避難生活を送っている。ガス会社は現在、問題のガス井をコンクリートで封じる作業を行っているという。この作業が終了し次第、石油や天然ガスなどのエネルギー資源の安全性を取り締まる加州機関「Division of Oil, Gas and Geothermal Resources(DOGGR)」が漏出が完全に停止したか確認作業を行う予定になっている。
 17日には事故発生直後から事故原因などの報告義務を怠ったとしてLA郡のジャッキー・レイシー地方検事が同社を提訴した件の罪状認否が行われ、同社は無罪を主張。今後有罪判決が下された場合、同社は大気を汚染した罪で1日につき1千ドルの罰金が科される。

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