北米沖縄県人会:國吉会長4年目スタート

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550人で大新年会  「ウチナーンチュ大会」アピール

國吉会長(右)や男性理事たちが女装して踊りを披露。会場は笑いのうずに。

國吉会長(右)や男性理事たちが女装して踊りを披露。会場は笑いのうずに。

 今年も盛大な新年会で幕を開けた北米沖縄県人会。会長4年目となった國吉信義さんは会を支えるメンバーたちの日ごろの活躍に感謝し、沖縄から世界各地に移住した人やその子孫たちが集まって10月に沖縄で開催される交流イベント「第6回世界のウチナーンチュ大会」への参加も呼びかけた。【中西奈緒、写真も】

 モンテベロ市クワイエットキャノンの広い会場には子供からシニアまで、およそ550人がぞくぞくと集まった。県人会グッズの販売、新年のあいさつをして回る人たちなどで開会前から会場は活気にあふれた。

 北米沖縄県人会は1909年に設立されて今年で107年目を迎え、今はおよそ800家族がメンバーとして登録されている。「沖縄県人会」は他州やカリフォルニア州内でもサンフランシスコ、サクラメント、サンディエゴにもあるが、その中ではロサンゼルスの同会が一番大きな規模になる。芸能部、武道部、文化部、婦人部などおよそ20の部会活動も活発だ。

2015年の「マン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたディビット冨里さん(中央)、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた沼田美智子さん(左)と國吉会長(右)

2015年の「マン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたディビット冨里さん(中央)、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた沼田美智子さん(左)と國吉会長(右)

 会長となって4年目となる國吉信義さんはあいさつで、「沖縄移民たちが助けあっていくためにできたこの県人会は、100年以上にわたって奨学生を支援し、沖縄の文化を継承し発展させて、地域のために貢献してきました」と会のミッションに触れ、「しかし、所有している建物からの収入やメンバーからの会費だけではさまざまなプログラムを続けていくことが難しく、まさにボランティアのみなさんの日ごろの活動や寄付金に支えられているのです」と会場のメンバーたちに感謝の気持ちを伝えた。また、10月に沖縄で開催される「世界のウチナーンチュ大会」への参加も呼びかけた。

 ウエストコビナ市長で沖縄生まれのジェームズ・トウマ氏の立ち会いのもと、理事、各部の部長らが職務を全うすることを宣誓。2015年の「マン・オブ・ザ・イヤー」には設備や道具の修理を担当してきたディビット冨里さんが、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」には理事や沖縄舞踊の教師として貢献してきた沼田美智子さんが選ばれ表彰された。

ウエストコビナのジェームズ・トウマ市長(左から3人目)を旦那と見たてて「だんな様」という歌を披露する婦人部

ウエストコビナのジェームズ・トウマ市長(左から3人目)を旦那と見たてて「だんな様」という歌を披露する婦人部

 沖縄系3世で南加日系商工会議所のキティ・サンキ会頭の来賓あいさつがあり、沖縄県庁からは「第6回世界のウチナーンチュ大会」事務局長の川上睦子さんが出席し大会をアピールした。

 ステージでは沖縄民謡などが次から次へと披露された。婦人部と男性理事らが競い合う「タレント合戦」では、婦人部はトウマ市長を旦那と見たてて「だんな様」という歌を披露。一方、男性理事たちは「浜千鳥」という歌にあわせて女装して踊り、笑いを誘った男性理事たちが勝利を勝ち取った。また、昨年のピクニックに引き続き、沖縄北部の金武(きん)町伝統の獅子舞が会場を駆け巡り、出席者たちと賑やかな触れ合いをもった。

◎「第6回世界のウチナーンチュ大会」

 今年10月26〜30日までの5日間、沖縄から海外移住した人やその子孫たちが世界中から集まって交流する。「世界のウチナーンチュ大会」は5年ごとに行われ、今年で6回目。前回は5300人が参加した大イベントで、毎回参加者が増えていることから、今年もより多くの参加が見込まれているという。川上事務局長はこの大会の趣旨について次のように羅府新報に話した。

「第6回世界のウチナーンチュ大会」をアピールするため沖縄県庁からやってきた川上睦子事務局長

「第6回世界のウチナーンチュ大会」をアピールするため沖縄県庁からやってきた川上睦子事務局長

 「沖縄は全国でも有数の移民県なので沖縄に祖先をもつウチナーンチュが世界中に40万人いるといわれています。そうした海外移住者たちの功績をたたえたり、ウチナーンチュのネットワークをみんなで守って発展させていこうというものです。沖縄に親戚がいる人もたくさんいるので、親戚をたずねたり、沖縄の文化を見て楽しんだり、沖縄の人たちと交流して自分のアイデンティティーやルーツを確認したりできます。また、沖縄の人たちにとっても、海外に移住した親戚が5年に1度訪ねてきて、懐かしく交流するという意義もあります。今までの大会は『お祭り』をして大騒ぎをするという色合いが強かったのですが、今回の大会では沖縄の歴史を学ぶ勉強会などのプログラムも用意し、より多様な内容になる予定です。また、県庁の基地対策室と話をして、この大会と同じ時期に『基地問題のシンポジウム』をする話も進められています。世界中から集まる沖縄系の人たちに、今何が起きているのかを伝えるちょうどいい機会だと思っているからです。辺野古バスツアーなどを企画できたらとも思っています。沖縄に来てびっくりすることは多いかもしれません」

◎「沖縄を学べる機会に」多彩なプログラムを要請ー國吉会長

 今年の大会には県人会からおよそ100人が参加するという。國吉会長は「親戚にも会うことができるし、毎回この大会をとても楽しみにしています。ただ、いつも芸能関連のイベントが多くて、お祭り騒ぎで終わりがちなのが気になっています。県人会メンバーにとってもせっかくの機会ですので、他の国の県人会の人たちと交流したり、県民と話をして沖縄を知る機会を持ったり、歴史や基地問題について専門家の話を聞いたりしてもらいたいとも思っています。そうしたプログラムを組んでもらうために、私からも県庁にリクエストをしているところです」と話した。

 また、沖縄語(ウチナーグチ)を含めた各国の先住民の言語をどう守って継承していくかを話し合うシンポジウムも大会期間に開かれるという。琉球大学の教授らが中心となって開催されるもので、元県人会長で沖縄語の講師でもある比嘉朝儀さんもスピーカーとして参加する。

 会長としての大きなミッションとして、ピクニックやバザーといった恒例イベント、伝統の踊りや芸能活動だけでなく、沖縄の文化や歴史、基地問題について学ぶ場をつくることに力を入れている國吉さん。2年前から若手のジョーイ・カミヤ文化部長が中心となって沖縄戦の「慰霊の日」(6月23日)に合わせて勉強会をスタートさせている。沖縄とスカイプでつないで、前沖縄県知事の大田昌秀氏に講演をしてもらったり、県人会メンバーの沖縄戦経験者たちに話をしてもらったり。カミヤさんは今まで大会に参加したことはないが、今回は「世界中のウチナーンチュとの交流を楽しみたいし、沖縄の歴史、三線(さんしん)などの伝統的な音楽、米軍基地反対運動のことも現地で学びたい。とてもすばらしい経験になると思う」と参加を検討している。

 國吉会長はこの5年に1度の貴重な大会が、県人会メンバーにとって少しでも実りあるものになることを願っているという。

参加者と触れ合う、沖縄北部の金武(きん)町伝統の獅子舞

参加者と触れ合う、沖縄北部の金武(きん)町伝統の獅子舞

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