強靭な体力のトム鈴木さん:トライアスロンを軸に活動

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LAマラソンへの道④

ベンチュラマラソンで、フィニッシュラインをガッツポーズで通過する鈴木さん

ベンチュラマラソンで、フィニッシュラインをガッツポーズで通過する鈴木さん

 ロサンゼルス在住のトム鈴木さん(42)は、トライアスロンを軸に活動する。フルトライアスロンやウルトラマラソンなど過酷なレースにチャレンジするために、厳しいトレーニングをこなしている。鍛え上げた体は引き締まり、100マイルのレースを29時間で走破する強靭な体力を持つ「アイアンマン」だ。自身7度目の参加のロサンゼルスマラソンにも臨み、スタートを待ちわびている。【永田 潤】

 友人から誘われ「酔った勢いで、出ると言ってしまった」という、2003年の「NAHAマラソン」(沖縄県那覇市)。ランニングの経験はなく、いきなりのマラソンは、6時間の制限内ぎりぎりで走り切った。
 温暖な気候のロサンゼルスに移り住み「泳げて、自転車に乗れて、走れる環境がそろっている」と、トライアスロンを始めた。マラソンは「トライアスロンのトレーニングの一環」と位置づけ、3種目をバランスよくこなしている。

50キロのウルトラトレイルランに参加した鈴木さんは、両手を挙げ飛び上がってゴールし、喜びを表現

50キロのウルトラトレイルランに参加した鈴木さんは、両手を挙げ飛び上がってゴールし、喜びを表現

 2度のアイアンマンレース(フルトライアスロン)を経験し、14時間55分の記録を持つ。そのおもしろさは、水泳、自転車、ランと各競技が分かれていてメリハリがあり「種目が変れば気持ちも変わり、特に最終のランは『これで終わりなんだ』と思うと、楽しくなる」と語る。
 ランニングは、山岳のトレイルを好む。元々登山が好きなため「ハイキングのような気分で心地よく走れる。急な登りはきつく歩くしかないけど、下りはジェットコースターのように楽しい。ペース配分をうまくすれば、楽しくなる」と説明する。山や海を眺め、季節の変化を感じながら、新緑、美しく咲く花々が目を楽しませてくれ「自然が相手で、気分がよくなる」。また鹿やリス、コヨーテ、ボブキャットなど野生動物との出会いがあり、トレイルならではで心を和ませてくれる。
 日本に一時帰国した際にトレイル50キロの「ウルトラマラソン」に出た。「マラソンよりたった8キロ長いだけ」と、軽い気持ちだったという。だが考えは甘く、アップダウンが激しくてつらく、11時間走った地点で「ギブアップ」。途中棄権した悔しさをバネに、本腰を入れたトレーニングは週6日と決め、月曜日を完全休養に充てる。午前4時半起床、5時から水泳、6時にスピン(ジムでの自転車)、7時はランを、8時過ぎの出勤までに毎朝こなす。
 トレイルの50マイルレースは完走に約12時間を要し、冒険心をかき立てられ「怖いもの見たさ」でエントリーしたという100マイルは29時間かけて走り抜いた。暗闇の中は、頭に装着したライトの明かりを頼りに進み、夜空に輝く星を眺めたり、遠くに小さく見えるランナーを追いかけるのがおもしろい。
自己ベストタイムを記録した昨年のベンチュラマラソンで力走する鈴木さん

自己ベストタイムを記録した昨年のベンチュラマラソンで力走する鈴木さん

 意外なことに、トレイルランよりもずっと距離の短いハーフやフルマラソンの方が苦だというのは「ロード(一般の舗装道)を走るから」。町中での練習も好きではなく、車や自転車、歩行者に気を配り、信号待ちもあるため、さまざまな危険が伴い、注意を払うあまりに、走りに集中できないからという。ロードのランの苦手克服が課題だ。

目標は自己記録の更新
「楽しく走れると思う」
LAマラソン

 鈴木さんは自身の競技について「あくまで、トライアスロンがメイン」と、あらためて強調した上で、目前に迫ったロサンゼルスマラソンは「自分のタイムを確認するために重要」と、参加の意義を説く。今後のマラソン出場は、地元のロサンゼルス一本に絞るという。
 大会の目標は「自分との戦いの中で、自己記録を更新したい」と意気込む。ベストタイムは昨年9月に、平坦で走りやすいコースを快走したベンチュラマラソンでマークした3時間27分。3時間15分以内を最終目標に置く。
 ロサンゼルスのコースについては「起伏があるけど、基本的には平坦である」といい、高低差の激しいトレイルとの大きな違いがあるとし「楽しく走れると思う」
 これまでに走った中で、ベンチュラとハンティントンビーチのマラソンは、海岸沿いを走る単調なコースで飽きたという。一方のロサンゼルスは、他にはない独特の景色を見ることができ、苦しさを紛らわすことができるのが特徴とし「スタートのドジャースタジアムから、リトル東京、ダウンタウンの摩天楼、チャイナタウン、ハリウッド、チャイニーズシアター、ビバリーヒルズなどランドマークを通り、最後のサンタモニカまで見どころが満載」といい、スタートが待ちきれない。

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