LA郡上級裁 :ガス漏出事故で転居アシスタントの延長命じる

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ガス漏出事故が発生したSoCalGasの施設があるサンタ・スサナ・マウンテン(後方)のふもとに広がるポーターランチの住宅街

ガス漏出事故が発生したSoCalGasの施設があるサンタ・スサナ・マウンテン(後方)のふもとに広がるポーターランチの住宅街


 ロサンゼルス北部ポーターランチにあるSoCalGas社の天然ガス貯蔵施設で4カ月近くにわたって続いていたガス漏出事故で、ロサンゼルス郡上級裁判所は25日、ガス会社に対し、ガス漏出停止後も転居先で避難生活を送る住民への転居アシスタントを3月18日まで延長するよう命じた。【吉田純子、写真も】

 昨年10月23日から続いていたガス漏出事故で、今月18日にガス会社と石油や天然ガスなどのエネルギー資源の安全性を取り締まる加州機関「Division of Oil, Gas and Geothermal Resources(DOGGR)」はガス漏れが発生していたガス井(SS25)はふさがれ、ガスの漏出は停止したと発表した。事故後、施設周辺の住民からは鼻血や頭痛、吐き気などの健康被害が相次ぎ、ガス会社は住民に対し転居アシスタントを実施。転居費用を負担し、これまでにおよそ4600世帯、1万1千人近くが自宅を離れ転居先で避難生活を送っていた。
 転居アシスタントはホテルに転居した住民に対しては漏出停止から8日間後、レントハウスの場合は契約期間終了と同時に打ち切られる予定だったが、住民からは4カ月近く漏出していたガスが漏出停止後も大気中に漂っていることを懸念する声が後を絶たない。
 20日に行われた公聴会でも、住民からは家の中まで漏出物質が充満している可能性を指摘する声が目立ち、健康面への影響に不安の声が上がった。
 こうした中、LA郡のマイケル・アントノビッチ参事官は、大気の汚染検査が終了し安全が確認されるまで、転居アシスタントの延長を求めていた。
 ガス会社によると漏出停止の発表後、2081世帯がすでに自宅に戻ったというが、帰宅した住民からは依然健康被害が報告されている。
 ポーターランチの住民のひとり山口弘さんは漏出停止の発表後、一時帰宅した際に鼻血が出て頭痛にも見舞われたと話す。また同じく住民でNPO「Save Porter Ranch」の代表のひとりマット・パクーコさんも先週末、自宅に一時帰宅した時、頭痛に悩まされたという。
 ガス会社側は現在もおよそ3400世帯に転居アシスタントを実施しており、1日におよそ200万ドルの費用を負担し、さらに当局により大気の安全性は確認されているとして今回の決定について控訴した。
 現在はLA郡公衆衛生局のほか南カリフォルニア大気環境管理局、カリフォルニア州環境保護庁(CALEPA)の環境保健有害性評価局(OEHHA)も大気汚染の調査に乗り出している。
 米海洋大気庁とカリフォルニア大学デービス校(UCD)、UCアーバイン校などが合同で行った調査結果によると、今回の事故で10万7千トンのメタンガスが大気中に放出され、米史上最大規模のメタンガス漏出量となった。1日の漏出量はサッカーや野球などの球技場としても知られるパサデナの「ローズボール」と同等の大きさの気球を膨らませるのに匹敵する量だという。
 メタンガスは温室効果ガスで地球温暖化効果が非常に高い。112日間にわたって漏出したメタンガスはロサンゼルス地区で1年間に放出される量の4分の1に相当し、57万2千台の車から1年間に排出される温室効果ガスに相当するという。
 UCIの大気科学者ドナルド・ブレイク氏によると、ポーターランチで採取した空気サンプルからはベンジン、トルエン、キシレンといった有害物質が標準値以上検出され、長期間こうした物資にさらされた場合、健康への影響が懸念されると指摘している。

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