奇妙な予備選挙システム

0

 共和党は党代表に任命されるには、「デリゲーツ(Delegates)」と呼ばれる過半数1237の代議員数を得票しなければならない。3月5日に既に実施された共和党によるルイジアナ州の予備選挙を分析する。
 この州のデリゲーツは総数46。6つの下院議員選挙区(CD=Congressional District)に、それぞれ3デリゲーツが与えられ計(6×3=)18。州全体(Statewide)によるデリゲーツは計28で、18+28=46となるわけだ。
 結果はトランプが、12万4818票(41・4%)を占めて勝利。2位のクルーズは、11万3949票(37・8%)、既に撤退した3位のルビオは、3万3804票(11・2%)、そして4位のケーシックは、1万9355票(6・4%)。
 トランプ、クルーズ、ルビオが第4区(CD4)をのぞき、それぞれ1ずつ与えられた。つまり各候補5ずつだ。その第4区では、クルーズが2つ、トランプが1つずつ。となると、6CDでのそれぞれの合計が、トランプ6、クルーズ7、ルビオ5となる。
 ルイジアナ州は勝者独占方式(Winner-Take-All)でなく、比例分配方式(Proportional)を採用(*州によって選出プロセスが異なるので要注意)。そのため州全体(Statewide)によるデリゲーツは、得票割合に応じてトランプに12、クルーズに11が与えられ、5が非拘束(unbound)となった。全投票の20%以下の得票だと0(ゼロ)。よってルビオ、ケーシックは0デリゲートとなった。
 総計すると、トランプ18(6+12)、クルーズ18(7+11)、ルビオ5(5+0)になり、上位2名は同数の結果だ。
 これで終わりではない。もし誰も過半数に達しなかったら、クリーブランドで7月18日から行われる共和党の党大会で実際に投票が行われるのだ。このルイジアナ州の非拘束(Unbound)の5数は、党の役員や議員が決めるルールになっており、クルーズのサポーターだ。さらにまた撤退したルビオの5数が浮き、クルーズへ変更すると、合計10がクルーズに与えられる計算となる。つまりつまり、トランプが3・6%の差でクルーズに勝利を収めたのにも関わらず、デリゲーツ数ではクルーズに負ける結果になりうるのだ。
 経験あるクルーズ・チームによる巧妙なインサイドゲームの策略が実を結んでいると聞く。これを政治というらしい。【長土居政史】

Share.

Leave A Reply