称賛の日米合算

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 ピート・ローズが持つ最多安打4256本を、イチローが2週間ほど前に日米合算で抜いた。今季も「第4の外野手」という控えの難しい役どころながら、限られた出番でチャンスを生かし、1試合で2本、3本、そして4本などと打ちまくり、カウントダウンのたびに、ファンは心を躍らせた。
 多くの関係者が祝意を込め、イチローをたたえる中で、1人だけ批判的な者がいる。記録を破られたローズだ。現役時代に輝かしい成績を残したものの、あろうことか、なんと監督時代に野球の違法賭博関与がばれて、永久追放処分となり、いまだに米野球殿堂入りを果たしていない。一方のイチローは殿堂入りは確実視されるだけに、ローズはひねくれているのだろう。
 ローズは、イチローの業績を認めた上で、うだうだと、文句を垂れている。そのコメントが、皮肉たっぷりで憎たらしい。これまでは、日本のプロ野球を「マイナーのレベル」と見下し、今回はイチローの日米通算記録を「高校野球の成績も足している」や、「安打王」と評された自身を「安打『女王』にしようとしている」などと嘲弄。いい年した爺さんが、憎まれ口をたたくのは、みっともない。大リーグ機構に対し、ローズをいい加減に許してあげればいいのに、と同情を寄せていたが今回で気が変った。もう少し干した方がいいだろう。
 4257本目を打ったイチローは感想の中で、「いつかアメリカで、ローズの記録を抜く選手が出てほしい」と願った。将来、日米や、米韓、米台などの合算で、自身の生涯安打数を上回る選手が現われたら、イチローは素直に認め、紳士的に褒めたたえることだろう。何十年か後に、それを見てみたい。
 イチローの次なるマイルストーンへのカウントダウンは「12」に迫っている(6月30日時点)。大リーグ通算3000安打だ。これも「50歳まで現役でやる」というイチローにとっては、単なる通過点なのかもしれない。
 日米のプロ野球は、どちらも世界屈指のリーグ。両国合算記録は賛否両論だが、コツコツと練習を積んだ努力家の偉業を称賛したい。【永田 潤】

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