今年の二世週祭で実行委員長を務めるデビッド・テラガワ氏

今年の二世週祭で実行委員長を務めるデビッド・テラガワ氏

 テラガワ氏はオレゴン生まれの日系2世の父と、長崎生まれの日本人の母のもと、モンテベロで生まれボイルハイツで育った。父方の祖先は広島からの移民だったという。【吉田純子、写真も】

 第二次世界大戦後に、両親は米国で暮らし始めたが、排日の風潮が強かった当時、「米国人は日本語が嫌いだから」と父は母に英語で話すことをすすめたという。母も大学で英語を学んでいたため英語が得意。母はときどき家で日本語を話す程度で生涯のほとんどを英語で過ごしたという。「母からは少しだけ日本語を習いました。流暢には話せませんが、そのおかげで聞き取ることはでき、後にビジネスでも役に立ちました」
 2世週祭に足を運ぶようになったのは自身が高校生の時。「当時から自動車ショーもあり、南加地区の各地で行われているお盆祭りや夏祭りと同じように、華やかでした」と当時の印象を思い起こす。祭りならではの食べ物が味わえるのも醍醐味のひとつだったという。
 カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校生物学部を卒業後、日系家庭で育った生い立ちを生かし日系企業に就職。現在は東京海上日動火災保険社の米国現地法人Tokio Marine Management, Incに勤務している。
 日本文化を理解するため大学でも日本語のクラスを履修したほか、家庭教師を雇って日本語の習得にも励んだ。日本には出張も含め過去15回ほど訪れているという。
 家族は3世の妻と3人の娘がおり、3人の娘たちは全員二世週祭でコートを務めた経歴の持ち主。「長女は2010年、次女は13年、三女は15年のコートでした。二世週祭のコートが家族から3人も誕生するのは二世週祭の歴史の中でも初めてだとよくからかわれます」と話す。
 これまでにも4世バスケットボールやイースト・サンゲーブルバレー日系コミュニティーセンターといった日系諸団体に所属。二世週祭には6年前から実行委員のメンバーとして運営に携わり、今年初めて実行委員長に就任した。

「変化の仕方学ばなくては」
ソーシャルメディアを活用

 「二世週祭は変化の仕方を学ばなくてはならない。魅力を紹介する手段にも変化が必要です―」。二世週祭が始まった当初、1世、2世が中心となり祭りは取り仕切られていた。しかし、現在では小東京を取り巻く環境も変化し、小東京のビジネスの約70%は日系以外で成り立っているという。小東京周辺の住民の多くも日系以外の人々だ。
 彼らに二世週祭を知ってもらうためにも、瞬時に情報発信できるソーシャルメディアの活用は不可欠だと力を込める。「時代の変化の中で、われわれも運営方法を工夫しなければならない」。フェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどのソーシャルメディアを駆使し、時代に適した方法で二世週祭を多くの人に紹介する必要性を感じていると話す。
 「かつて米国各地にあった日本人街も今ではその多くが衰退しています。しかしロサンゼルスの小東京はそうであってはならない。われわれは守り続けていかなければならないのです」
 今年の二世週祭もソーシャルメディアを活用し、新しい情報を直ちに発信。日系人、日本人だけでなく、中国系や韓国系など近隣コミュニティーの人々にも興味をもってもらえるよう情報発信に力を入れているという。
 また今年は小東京でメトロの工事が行われているが、同祭はロサンゼルス市とメトロとパートナーであることから、メトロバスやゴールドラインの列車に二世週祭のポスターが飾られることになった。メトロが無料で掲示してくれるのだというが、このポスターには大きな宣伝効果があり、ポスターを見た人が二世週祭に足を運んでくれるのではと期待が高まる。
 「LA市としても二世週祭は人種が多様化するLAを代表するフェスティバルのひとつとして考えてくれているのだと思います」とテラガワ氏は話す。
 またLA市が小東京周辺の駐車場と二世週祭の会場となる小東京を結ぶシャトルも運行させる。この試みも今年初めてだ。
 1世、2世の高齢化が進む今、若い世代を呼び寄せるのは必要不可欠。一方で4世、5世は1世、2世が育んできた日本の伝統を知らない人も多い。二世週祭ではこうした伝統を引き継ぎ、次世代に伝えていく役割も果たしている。
 「私にとっても二世週祭は生け花や武術、茶道、音頭など日本文化に触れることができ、日系コミュニティーの存在だけでなく、日本の伝統を紹介できる貴重な機会。日系コミュニティーは古くから団結心が強く、人々が助け合ってきた。今年も二世週祭を成功させたい」と意気込んだ。

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3 Comments

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  1. Dear Sir,

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    Sam
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