オレンジ郡協会が初茶会:本席、立礼席で一碗を堪能

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裏千家淡交会

野本社中による立礼席。亭主を務めるステファニー・ワッソンさん(手前左)と半東の金城ザックさん(同右)

 茶道裏千家淡交会オレンジ・カウンティー協会(半田俊夫会長)は2月19日、ビラパークの裏千家名誉師範の小泉宗由師宅の「宗由庵」で初茶会を催した。淡交会LAカウンティー協会員や表千家、江戸千家など茶人のみならず、日系社会の多方面から65人が参集し、香煎席では白湯でのどを潤し、本席で濃茶、立礼席で薄茶の一碗とともに点心席を堪能した。

香煎席で客をもてなす、小泉社中の笹尾さゆりさん(左手前)と川瀬レイモンド宗勝さん(同奥)

 初茶会は、小泉一門の5社中から小泉、野本両社中が点前を行い、招待客をもてなした。半田会長があいさつし、協会の活動について「茶道を通して地域社会発展のために貢献し、裏千家茶道に精進し日本の伝統文化の普及に尽力したい」と、抱負を述べ協力を求めた。
 4席披露した野本宗智社中のメンバー15人は、日中韓系、ベトナム系、白人の米国人、英国人で構成し、野本師は「とても国際色豊かなメンバーなので、おもしろい社中」と紹介する。師匠と門弟全員は英語を母国語とするが、稽古では日本語でも教えるといい「バイリンガルの生徒を育てたい」と願う小泉師が期待を寄せる理由がうなずける。野本師は「お茶は日本が起源なので、日本語でも学べば、より深く伝統文化を理解することができる。敬語はとても難しいが、生徒は意欲を持って稽古している」と説明した。
 野本社中で13年修業するブリット・ブースさんはこの日、立礼席で半東を務めた。この日に備え1週間前から練習したという日本語で説明しまた、客の茶道具などの質問にも、きれいな発音の日本語で立派に受け答えた。日本語は学生時代から通し20年習っており今も、オレンジコースト学園に通っているといい、京焼の作者

立礼席で、淡交会ロサンゼルス協会幹事長の上杉宗裕(手前中央)に薄茶を振る舞う野本社中のブリット・ブースさん(左)

名なども正確に伝えたが、やはり「間違わないかと、とても緊張した」という。茶道の魅力について「芸術品の茶器を使って行う伝統文化がすばらしいと思う。大好きな着物を着ることができるのもうれしい」と語った。
 金屏風の隙間から弟子を見守った野本師は「外国人にとって異文化を習得するのは、とても難しい」と強調した上で「着物を自分たちで着て正装し、とても熱心に行った稽古通りに、よくやってくれた。弟子たちを誇りに思う」と評価した。社中が用いた茶碗は、バレンタインズデーに合わせたハート形で、米国人ならではの発想は「珍しい」「いいアイデアだ」などと、客を喜ばせていた。
 小泉師は、初茶会について「遠方からよく来ていただき、みなさんのサポートがあって無事終えることができた」と感謝した。弟子、孫弟子のもてなしについて「心配してじっと見ていたが、みんな一生懸命やってくれた。お客さんから『おいしい』と誉められた生徒はやりがいが出て、これからの稽古の励みになり、いい茶会になったと思う」と述べた。【永田潤、写真も】

立礼席で用いた茶道具を説明する野本宗智師(右)


本席で濃茶の点前を披露した小泉社中の佐野宗加さん(手前右)と、呈茶をする渡辺宗南さん(中央)

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