トーレンス製油所めぐり公聴会:住民ら、化学物質の使用禁止訴え

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公聴会に参加した(左から)ムラツチ加州下院議員、トーレンス市のヒューレイ市長、ロサンゼルス郡スーパーバイザーのハーン氏

 トーレンス市にある製油所で近年発生した大規模な爆発や火災事故をめぐり1日、南カリフォルニア大気環境管理局が公聴会を開いた。トーレンス・マリオットホテルで行われた公聴会には周辺住民や地元政治家らが参加。度重なる事故による大気汚染への懸念を訴え、製油所で使われている有害な化学物質の使用禁止を呼び掛けた。【吉田純子、写真も】

大規模な爆発事故直後の様子(CA Air Resources Boardより)

 大規模な爆発事故は15年2月18日、同製油所内のガソリン精製施設で発生した。この爆発で製油施設1棟が倒壊。従業員4人が負傷し、周辺住民宅には火災で発生した灰が降ってくるなどの被害が出た。製油施設が1年以上閉鎖されたため、ガソリン価格の高騰も引き起こされた。
 昨年10月にはトーレンスやガーデナを含むサウスベイ地区でおよそ10万2千世帯に影響を及ぼす大規模な停電が発生。停電発生時には製油所施設から火が燃え上がっているのが確認された。さらに11月にも製油所で火災が発生し、この火災により従業員3人が負傷した。
 製油所では化学的処理をほどこした塩酸(MHF)が使用されていることから、周辺住民からは健康面への影響や安全性を懸念する声が上がっている。
 製油所側は化学的処理をされた酸は安全であると主張しているが、度重なる事故を受け、連邦環境保護庁(EPA)は昨年秋に調査を実施。その結果、猛毒のフッ化水素酸の漏出を防ぐための装備が損傷したままになっていたことが発覚した。さらにEPAは、化学的処理をほどこしたフッ化水素酸の使用の危険性と製油所の危機管理対策の欠如も指摘した。フッ化水素酸はハイオクガソリンを製造するアルキレーション・ユニットで使用されている。


度重なる事故を受け、公聴会で製油所での化学物質の使用禁止を訴える住民

 最初の爆発事故発生当時、製油所はエクソンモービルが運営していたが、16年7月にPBFエナジー社が買収。サウスベイ地区の地元紙「デイリーブリーズ」によると、買収後、トーレンス市消防局は同製油所施設から97件の通報を受けたと報じられている。
 公聴会にはアル・ムラツチ加州下院議員(民主・トーレンス)をはじめ、トーレンス市のパトリック・ヒューレイ市長、ロサンゼルス郡スーパーバイザー(参事)のジャニス・ハーン氏らも出席した。
 爆発事故当時、自身も製油所から数マイル付近に住んでいたというムラツチ氏は公聴会を前に行われた記者会見で、先月加州議会に提出した法案の概要を紹介。加州にあるすべての製油所で猛毒のフッ化水素酸の使用禁止や、周辺コミュニティーへの警告システムの強化、製油所周辺の大気環境を監視するモニターの導入、安全性を管理する州政府検査官の増員、製油所の安全性を管轄する実行委員会の設置などが法案には盛り込まれているという。
 製油所でのフッ化水素酸の使用禁止を支持するトーレンス市議のティム・グッドリッチ氏は、トーレンス製油所とウィルミントンにあるバレロ製油所ではフッ化水素酸に代わるより安全な物質が使用されておらず、万が一漏洩した場合は有毒物質が大気中に放出される危険性もあると警鐘を鳴らした。
 同製油所の1日の原油処理量はおよそ15万5千バレル、年間およそ18億バレルで、約750エーカーの施設内に600人以上の従業員が働いている。

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