6年におよぶ記録的な干ばつに直面していたカリフォルニア州だったが、同州のジェリー・ブラウン知事は7日、干ばつが終了したと宣言した。【吉田純子、写真も】

 ブラウン知事はセントラル・カリフォルニアのフレズノ、キングス、トゥーレアリ、トゥオルミの4郡を除くすべての地域を対象に、2014年に発令した非常事態宣言を解除する声明を発表した。
 しかし、「今は干ばつが終息したと思われても、またいつ次の干ばつが訪れるか分からない」とし、歩道や植木などの水まきを制限し、節水は今後も継続して行われる予定だという。
 4郡では井戸が枯渇し水道水が出なくなる事態も発生。引き続き非常時の飲料水配給が行われる予定。
 加州では深刻化する干ばつ問題を受け、ブラウン知事が14年1月に非常事態を宣言。15年4月には干ばつによる水不足を改善するため、加州で初となる節水を義務付ける行政命令を発令した。
 16年はじめに行政命令は解除されたが、依然干ばつ被害は深刻化。加州各地に水を供給しているシエラネバダ山脈の雪塊量は15年の時点で平均値の5%と過去最低水準となり、州民は厳しい節水を強いられてきた。
 水不足により農作物も打撃を受け生産量は落ち込み、1億本の樹木が枯れ、野生動物にも影響が出た。
 しかし今冬の大雨の影響で被害が大幅に改善されたという。
 農務省(USDA)の干ばつモニターによると、加州の77%近いエリアで干ばつは解消されている。一方で、メキシコ国境に近いインペリアル郡を含む南加地区では今も干ばつ状態が続いている。
 ブラウン知事によると、干ばつによる被害は今後数年は続くと見られ、再び水不足の危機に直面する可能性もあることから引き続き警戒を強める考えを示した。

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