今年の音頭ダンスの振付けを担当した坂東秀十美師(手前右)とその社中

 「家族愛」をテーマに繰り広げられている今年の二世週祭。19、20両日は小東京を中心に日本文化を紹介する各種展示のほか、「ロサンゼルス七夕まつり」と祭りを最高潮に盛り上げる「グランドパレード」が行われた。日本人、日系人だけでなく、日本文化に興味を持つ当地の米国人の姿も目立ち、小東京はたくさんの人々の情熱で熱気に包まれた。【吉田純子、写真も】

グランド・マーシャルのローズ・マツイ・オチさん
 20日、祭りで賑わいを見せる小東京で午後4時からパレードが始まった。小東京セントラル街と2街のコーナーから次々と今年の出場者が登場。沿道に詰め掛けた人々の声援にそれぞれ手を振って応えた。
 今年のグランド・マーシャル、日系人弁護士で公民権運動活動家でもあるローズ・マツイ・オチさんをはじめ、パレード・マーシャルの騎手コーリー・S・ナカタニさんらがオープンカーに乗って姿を現した。ナカタニさんは1931年に加州毎日新聞社を立ち上げ、日系1世の人権を守るために闘った藤井整の写真を携えて登場。「彼ら日系人の尽力があったからこそ、僕らが今こうして活躍することができる。彼らの功績を決して忘れてはならない」と話し、日系コミュニティーの先人たちへ感謝の言葉を述べた。
 二世週祭実行委員長のレイトン・ハシモトさんは今年のインスピレーション賞受賞者のアンティ・マリアン・チャンさんと登場。太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争の日系退役軍人、パイオニア賞など二世週祭各賞の表彰者、日系諸団体の代表者らも次々とパレードに現れた。
 トリを飾ったのは新女王とコートたち。沿道からの声援に手を振って応え、コミュニティーの代表のひとりとして各自役目を果たした。
藤井整の写真を持って登場したパレード・マーシャルのコーリー・S・ナカタニさん
 LA市のホセ・ウイザー市議も家族とともにオープンカーに乗って登場。「私は昔、羅府新報で新聞配達のアルバイトをしていました。小東京にはとっても思い入れがあります。みなさん小東京を訪れ、日本文化を満喫してください」と呼び掛けた。
 日本のアニメや漫画からインスピレーションを受けたコスプレ姿のグループも登場。各自、創意工夫を凝らした衣装とメイキャップで身を固め、気合いの入れようが伝わってきた。
 終盤には青森ねぶた「津軽海峡 義経渡海」も登場。今年は残念ながら照明で光り輝くねぶたはおあずけとなったが、ハネト(跳人)が「ラッセラーラッセラー」と掛け声をあげねぶたと一緒に練り歩き、迫力あるねぶたに沿道からは歓声があがった。
 今年の音頭ダンスの振付けは坂東秀十美師が担当。「手のひらを太陽に」と「火の国太鼓」の2曲の音頭にのって、秀十美社中を先頭に、南加地区で活動する日本舞踊の各社中が和服姿で音頭ダンスを披露した。
 全米日系人博物館(JANM)前の広場では18日から3日間にわたって今年9回目となるロサンゼルス七夕まつりが開催された。日系だけでなく近年はロサンゼルスのさまざまな団体、ビジネスからも七夕飾りが集まり、およそ120基が展示された。
 アニメ・漫画、ビジネス、政府機関、個人・ファミリ―、各県人会、非営利団体の6部門の中からそれぞれ優秀作品が選ばれ、オリジナリティー溢れる作品が風になびき、小東京を華やかに彩った。



終盤に登場した青森ねぶた「津軽海峡 義経渡海」

ロサンゼルス七夕まつりで6部門の中からそれぞれ選ばれた優秀作品と来場者投票で選ばれた作品

コスプレ衣装に身を包み登場した女の子

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