オ郡在住の17人を敬老表彰:日本文化継承者2人に奨学金

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OCJAA

80歳以上の敬老表彰式。後列左端から西元美代子実行委員長、藤田会長、小泉さん

 オレンジ郡日系協会(OCJAA、藤田喜美子会長)は9月24日、「敬老感謝の集いと日本文化奨学金授与式」をアナハイムのオレンジ郡仏教会で催した。同郡在住で80歳以上の長寿者80人を招待し、そのうちの17人を敬老表彰、各種エンターテインメントを披露し盛大に祝った。同時に催した日本文化を継承する若者に対する奨学金授与式では、将来が嘱望される受賞者2人の前途を祝した。【永田潤、写真も】

あいさつに立つ藤田喜美子会長

 秋恒例のイベントは今年で31回目を迎え、参加者約300人が見守る中、同郡日系社会の礎を築いた功労者を敬い、弁当を振る舞い、太鼓や津軽三味線、日本民謡の演奏、日本舞踊、琉球舞踊、子どもの童謡、茶道の実演などでもてなした。
 あいさつに立った藤田会長は「おめでとうございます」と、80歳以上の表彰者と奨学金受賞者に祝意を伝えた。敬老表彰者が過去最高の17人を数えたことを誇り「新記録で、来年の表彰はステージに乗り切れなくならないかと心配している」と、冗談を交えて喜びを表現した。同協会は、98歳の最年長を筆頭に、80歳以上の会員が依然、現役で元気に活動していることを強調して「われわれも偉大な先輩に少しでも近づけるようになろう」と呼びかけた。奨学金の受賞者に向けては「それぞれの道で、ますます頑張ってもらいたい」とエールを送った。「よりよいオレンジカウンティーのコミュニティーにするために、指導をお願いしたい」と願った。

元気よく童謡を歌う子どもコーラス


 80歳以上の敬老表彰者は、波多江ジョン、星野清子、池田武、今原孝、カイメス朝子、金沢美子、小泉由子、中山米子、野口信行、末岡多美子、杉前久郎、高崎伊久江、滝川幸雄、滝澤恵、坪田ロバート、渡辺良子、矢田陽子の17氏。藤田会長から賞状を贈られ、大きな拍手に丁寧にお辞儀をして応えた。
 表彰者を代表し、小泉さんが謝辞を述べた。「このような立派な式典に招いてもらい、この壇上にいるみなさんと一緒に心からお礼を言いたい」と謝意を伝えた。「これからは、みなさんのご厚情に報いられるように、健康に留意し、私たちのできる範囲で役に立ちたい」と願った。
 同協会の活動は多岐にわたる。社会福祉の日本語による情報提供、無料予防接種、介護者の集い、健康、教育など各種セミナー、情報月刊誌「オレンジ・ネットワーク」発行、各種の教育、趣味の教室、他の地域社会の諸団体との交流、地域の功労者顕彰、資金集めのゴルフ大会、大学進学者への奨学金授与、日本文化継承者への奨学金授与など。

80歳以上の高齢者に表彰状を授与する藤田会長

 同イベントでは、企業や個人の寄付による各種アイテムや会員手作りの各種アイテムが販売された。収益は、協会が推進する福祉や文化事業、各種奨学生制度などの活動を通し、地域社会の発展のために活用される。
 藤田会長は、イベントを振り返り「招待した高齢者80人に欄の花を贈り、食べきれないほどのお弁当、多種多様なエンタテインメント、バッグいっぱいのおみやげなどをプレゼントできたのは、多くのサポートを受けたからこそで、すべてがうまくいった」と、チームワークを誇った。「お年寄りから『また来年も来たい』と喜んでもらえたのがうれしく、今後の活動の励みになった」と話した。協会の活動については、健康セミナーやiPad、書道、華道など従来のクラスに加え、茶道、いすヨガ、将棋、麻雀、手芸などを増設し好評を得ており「会員の要望を聞いて、いっそうクラスを充実させたい」と抱負を述べた。
 オレンジ郡日系協会については、電話714・283・3551。
 www.ocjaa.org/

精進誓う奨学金受賞者2人
乗富さんとアトキンズさん

 日本文化継承者を支援する練尾日本文化奨学金は2002年に創設された。各分野で活躍する若者の育成を目的とする。その次世代の担い手に対する奨学金の授与式を催した。今年は、日本舞踊の乗富香織さんと、津軽三味線奏者のアトキンズ直樹さんが受賞し、それぞれに1000ドルが授与された。

「いつまでも踊り続ける」
日舞の乗富さん

 2001年に渡米した乗富さんは、Phdを取得したワシントン州立大では日本人と知り合いになる機会がなかったという。USCの大学院で化学を学ぶためにロサンゼルスに移っても「知り合いはゼロで、日本人としての自分を忘れていた」と不安になり、日本文化にふれるため、若柳久女師に師事した。
 日舞を始めて分かったことは「年配者と先輩を敬う心が欠けていた。上の人から面倒を見てもらい、その上の人を下の人が尊敬することが素晴らしい」と社中の伝統を重んじる。「LAに来た時は一人ぼっちだったけど、若久会に入会し、家族のように接してもらい、日本人を再認識でき、とてもありがたい」と感謝に堪えない様子。厳しい舞踊界に身を置き「礼儀を学び、精神面が鍛えられている。でも、まだまだ未熟なので、すばらしい先輩を模範に、いつかは若い人から尊敬してもらえるようになりたい」と話した。
 この日のイベントについて「若者と年寄りが同じ場にいるのが、すごい」と話し、多くの高齢者、年長者の活躍が刺激になったといい「日舞は、どんな年になってもできるので、いつまでも踊り続けたい」と語った。

三味線でインスパイア
アトキンズさん

 10歳から津軽三味線を始めたアトキンズさん(20)は、母の出身地、熊本に夏休みに帰省するたびに、三味線を習い腕を上げた。アーバイン・バレー・カレッジに通う今も月に2回、師匠に稽古を付けてもらい、自宅でも練習を欠かさない。三味線演奏の醍醐味は「激しくて、力強くて、エナジーを出す。聴いている人も僕が弾く音からエナジーをもらうことができること」と、流ちょうな日本語で力説する。
 ステージには常に着物姿で臨むのは「日本文化をちゃんと見せたいから」。米国人から「この楽器は何ですか」と、よく尋ねられるという。「これは日本の伝統楽器の三味線です」と胸を張っての紹介は、ハーフ日本人としてのアイデンティティを感じるうれしい瞬間だ。「いろんな人の前で演奏して『これが三味線だ』と、聴いている人をインスパイアすることもできる」と、演奏家の冥利に尽きるという。
 これまでは、ソロでしか活動していないが、異種のアーティストと交流したコラボレーションも視野に入れる。「将来はプロにならなくても趣味でずっと弾き続け、日本文化を紹介していきたい」と誓った。
 この日は「津軽じょんがら節」を披露し「多くの人の前で弾けて、いっぱい拍手をしてもらって、とても気持ちよかった」と、快感に浸っていた。

練尾日本文化奨学金の表彰式。前列左から、練尾家の今村ベティさん、藤田会長、受賞者のアトキンズさん、乗富さん、三宅ジョージ・奨学金委員長、練尾正男さん


提茶で高齢者をもてなす小泉宗由(由子、中央左)さんら茶道裏千家淡交会オレンジ協会のメンバー

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