人生は円のごとく

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 良いことは案外忘れてしまって、悪い事だけを思い出して、自分の人生は…と嘆くことがあります。「人生、山あり谷あり」などと言いますが、自分の人生を、登ったり下ったりして歩いているように考えるのは良い事ではないそうです。人生を行くあてのない道のように考えてしまうと、人生の苦労を連想してしまうからです。目指す先が分からないことほど不安なことはありません。体力や精神力の強い方はそれでも結構ですが、道の先に光が見えず、雲がかかって先に何があるか分からないような道は、誰もが歩きたくないはずです。
 ですが、長い人生いろいろなことがあります。そういった時には、人生は円のごとくまわるのだと自分に言い聞かせてください。何事も円のごとく訪れることを意識するのです。今、苦しみがあり、そこから抜け出せそうにない場合にでも、時間が経てばやがて楽しく幸福な時期が巡ってくるのです。哀しみの隣に幸せがあり、苦労の隣にやすらかな時間が訪れるのです。川の水が山からしみだして、小川となり、小川は集まって川となり、やがて海に注がれていきます。海に漂っているうちに蒸発し、雲になって、雨となって降り注ぐのです。そして、長い年月をかけてまた地上に清水となって湧き出るのです。このように水も人生も円のごとくまわっています。どんな運命も平等に大きな円をまわっているから、いつか地表に湧き出ることになるのです。苦しみも悲しみも希望も幸福も連続してまわってきます。そこでは、自分に起きる事象をどのように捉えるかが大切です。せっかく来た幸福はたとえささやかなものであっても見逃さないように、丁寧に受け取る習慣が必要です。丁寧に生きることで、幸福を心から分かち合い、次にどんな苦労がやってきても明るく振る舞うことができます。
 今年一年をふりかえって考える季節になりました。失敗をしたことも、笑いあったことも思い出してください。そして人生も運命も円のごとく巡ってくるのだと信じていれば、次の一年をもっと充実したものにできると思います。
 今年もご愛読をありがとうございました。【朝倉巨瑞】

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