UCLA日系学生会:カルチャー・ナイト開催「震災を風化させない」

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主人公のハナ(左)と日系人ケンドラとの交流を描いた演劇


 UCLAの日系学生で構成されている「日系学生会」は2日、カルチャー・ナイトを開催した。今年のテーマは「開花」。毎年学生が企画構成を行い披露する演劇では、2011年に発生した東日本大震災を題材にした演目を披露。震災を風化させず、多くの学生に知ってもらい、復興へと向かう被災地へ「希望」の思いを込めた。【吉田純子、写真も】

 同学生会は日系文化や戦時中の強制収容など、日系人の歴史を忘れず、後世に継承する目的で1986年に創設された。創設当時から毎年、日本、日系文化を紹介するカルチャー・ナイトが行われており、今年は32回目を迎えた。


日系学生会の太鼓グループ「響童太鼓」による演奏

 演劇のほか太鼓演奏、日本舞踊などを披露し、近年ではヒップホップなどのモダンダンスも組み合わせている。演劇は脚本から演出、プロデュースにいたるまで、すべてメンバーが行っており、普段は演劇とは違う分野を学ぶ学生たちが、この日はエンターテイナーとなる。
 今年は東日本大震災を題材にした劇を制作。6年前に起こった東日本大震災でテレビの映像で津波の恐ろしさを知った学生も多いという。劇を通して、東日本大震災がどういうものだったかもう一度振り返り、記憶から忘れさせないでほしいという思いを込めた。
 主人公は日本人の女子高校生・ハナ。地震による津波から生還を果たしたが、被災当初、他者の助けを受け入れられず、将来を悲観していた。そんなハナが、ボランティアメンバーとして被災地入りした日系人ケンドラとの交流を通して、コミュニティーと協力し団結することの重要性を見いだし、成長していく姿を描く。


着物姿であいさつした日系学生会の代表タイ・タニオカさん(右から)とカルチャー・ナイトのプロデューサーの出木谷愛里さん、ジャスティン・シンさん

 「被災者の方々はたくさんの試練を味わったと思います。しかし復興へと頑張る日本の人々の姿に『希望』を見い出しました」。プロデューサーのひとりで同大学3年生の出木谷愛里さん(社会学部)によると、メンバーは昨年4月からテーマの設定など企画に着手し、1年かけて作り上げた。今回は東日本大震災が題材のため、脚本はより真実を伝えるためリサーチに時間をかけたという。「震災に関しては正確さが求められます。さらにドラマとして成り立たせなければならないところに注意しました」と話す。
 劇では日系人と日本人の家族が登場するが、出木谷さん自身も父が埼玉出身の日本人、母は日系ブラジル人の2世だ。震災を風化させないよう、日系以外の学生にも震災のこと、そして復興へと立ち向かっていく被災者のことを伝えたいと思ったという。
 劇の最後には出演者が震災復興支援ソング「花が咲く」を歌う場面も。同学生会のメンバーは「花が咲く」のメロディーにのせて、ロサンゼルスから被災地にエールを送った。


カルチャー・ナイトで劇を披露した日系学生会のメンバー

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