提案されているセブンイレブンの小東京出店計画をめぐりLA市地区管理担当者に反対を表明するレイ・フクダさん(手前左から)とユキオ・カワラタニさん

 小東京でコンビニエンス・ストア「セブンイレブン」の出店が計画されているのを巡り、地元住民やビジネスオーナーから反対する声が上がっている。これを受け、ロサンゼルス市のホセ・ウイザー市議は住民側の主張を支持。7日には地元住民らがLA市地区管理担当者に、出店に伴う地区の安全性への懸念を訴えた。

 セブンイレブンの出店が予定されているのは小東京の2街にある「AVA apartment」(220 E. Second St)の一角。同日、小東京の住民のほかビジネスオーナー、コミュニティーリーダーらおよそ25人が集結した。
 ウイザー市議の代理として出席したクレア・エブリル氏は、同地区へのセブンイレブンの出店は「問題がある」と指摘。「われわれは小東京周辺の安全や治安維持への影響を懸念している。小東京は広範囲にわたって地元に根ざしたローカルビジネスやコミュニティーに密着したスモール・ビジネスが点在しており、こうしたビジネスが小東京を形作っている」と言及。
 このほど、小東京から1マイルも離れていない5街とブロードウエー通りにあったセブンイレブンが、薬物の売人やホームレスが頻繁にうろつくようになり、閉店に追い込まれる事態に発展。
 「セブンイレブンはダウンタウンに数店舗あるが、そのすべてがホームレス問題や行き届いていない警備、不法行為などによって地域コミュニティーから問題視されています。小東京への出店をめぐっても、こうした問題が引き起こされないという確信が持てません」とエブリル氏は訴えた。
 もっとも問題視されているのが、店舗がスキッドロウの近隣に位置し、さらに24時間営業し午前6時から午前2時までアルコールが販売されることだ。また出店予定地は小東京図書館や小東京に建設予定の多目的スポーツ複合施設「ポール・I・テラサキ武道館」の近くでもある。
 AVA apartmentに住むシンディー・ラマーさんによると、2棟からなる同アパートにはセキュリティーガードが1人しかおらず、その安全性をもっとも懸念していると話す。
 LA市の都市計画部門の元職員ユキオ・カワラタニさんは、小東京の出店予定地は店舗面積が通常のセブンイレブンの2倍近くの4087平方フィートあり、店内の明るい照明がアパートの住民だけでなく、向かいにあるダブルツリー・バイ・ヒルトンホテルの宿泊者にも影響をあたえると訴える。また駐車スペースがないことにより、違法な二重駐車をする利用客が増えるのではと懸念する。
 ASI Development社の代表アダン・マドリッドさんによると、同社はセブンイレブンのフランチャイズを始めてくれる小東京のコミュニティーメンバーを探しており、どうしたらセブンイレブンが安心して運営できるかコミュニティーメンバーと向き合っていきたいと話した。

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