19本のネクタイをつなぎ合わせて作ったカーペット(写真Jim Lommasson)

「故郷を思い出す物」写した展覧会
5月19日から8月5日まで

 全米日系人博物館(JANM)で19日(土)から8月5日(日)まで、イラクとシリアからの難民たちが持ってきた「故郷を思い出す大切な物」を紹介する写真展「私たちが持ってきた物―イラクとシリアからの断片と記憶」(What We Carried: Fragments and Memories from Iraq and Syria)が開催される。

 戦争や内戦が続くイラクとシリアからは、数百万人にもおよぶ人々が故郷を離れ、難民となっている。うち14万人以上が米国へと移住してきた。
 同展示では、難民が故郷を離れ、新たな地へと持ってきた大切な所持品の写真を紹介する。各写真には、遠く離れた故郷での暮らしを思い出す物として、なぜそれを選んだのか、持ち主自らが書いた理由も添えられている。
 彼らが持ってきた物やその激動の物語からは、家族や友人、そして故郷への愛を感じることができ、第二次世界大戦中の日系人の強制収容の経験とも重なる。当時の日系人は「両手に持てる物だけ」しか持っていくことを許されなかった。
 今回の展示はミシガン州ディアボーンにある全米アラブ系アメリカ人博物館からの巡回展となっている。戦時中の日系人が「持っていった物」と「持っていけなかった物」を展示するセクションも設けられ、当時住んでいた場所から追い出された日系人と、現在の中東難民の経験の共通点も考察できる展示となっている。
 同展示にともない、関連イベントも開催される。19日(土)には午前10時から11時まで、JANM会員限定プレビュー、6月23日(土)には午前10時半よりJANM会員限定ギャラリーツアー、7月28日(土)には午前10時半より一般向けのギャラリーツアー(通常の入館料のみ)がそれぞれ開催される。
 また7月28日(土)午後2時から、コミュニティー・ディスカッション(通常の入館料のみ)を開催。イラクやシリア、そして日系など多様なコミュニティーの人々がそれぞれの立ち退きの経験を共有し、現在の社会が直面している強制送還や、再開発の問題などについて語り合う。いずれもJANMウェブサイトから予約が必要。
 JANMの開館時間は火曜から日曜が午前11時から午後5時まで。木曜は正午から午後8時まで。休館日は月曜。入館は閉館時間の30分前まで。
 入館料は大人12ドル、シニア(62歳以上)6ドル、学生(要ID)と6歳から17歳が6ドル、JANM会員と5歳以下は無料となっている。毎週木曜午後5時から8時までと第3木曜日は入館無料となっている。
 さらに詳しい情報はJANMホームページ―www.janm.org、または電話―800・461・5266まで。

故郷の家で使っていたコーヒーカップ。家族との思い出が詰まっている(写真Jim Lommasson)

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