
笑顔で撮影に応じるオーナーシェフの久永勝範さん
高校生のころ飲食店でアルバイトを始め、その後調理師専門学校を卒業。3年間の「板前修行」を経て渡米。その後ターザナにある串焼きレストランの老舗「串ゆう」で17年勤め上げた。同店のオーナーや元同僚から温かく送り出され、久永さんは満を持して門出の時を迎えた。
「独立は常に考えていた」という。「最近日本では30代の若手が店を出し独立している。それが刺激になった」世の中を知れば知るほど、自分でビジネスを持たなければいけないと感じた。法律や世の中のシステムがビジネスオーナーのために作られているようにも思えてきた。投資家からも声がかかるようになったが、自分で経営する方がいいと判断した。

ハマチの刺身にシラントロとハラペーニョを散らし、ガーリックポン酢をかけた一品、16ドル

サンタバーバラ産(手前)と北海道産のウニの軍艦。ホタルイカ(中央)も今が旬
「100人いたら100人にオリジナルの食事を提供したい」こう語る久永さんの思いはメニューにも反映している。その日の献立は毎日タイプし印刷する。ドリンク類も同様にアップデートする。
地元との結びつき、大切に

ロサンゼルスでは2月くらいから入荷が始まるという初鰹(がつお)の造り
その日の食材をSNSで流すなど、客とのつながりを保つ努力も欠かさない。「インスタ映え」しそうなロールを一つ巻いてもらった。久永さんが笑顔で出した巻物は「ハラペーニョ・ライムロール」タイトル通り、ハラペーニョ天ぷらとサーモン天ぷらをソイペーパで外巻きにしたロールの上に、極薄切りのライム、サーモンとアボカドがのせられている。自家製のドライ・ブラッディオレンジのスライスを中央に飾って完成。ライムの味と香りが天ぷらの油っこさを中和させるので思わず箸が進む。時折やってくるハラペーニョの辛さを楽しみながら会話も弾む一品だ。

ハラペーニョとサーモンの天ぷらにライムを組み合わせ、さっぱりと仕上がった巻物、15ドル
1周年記念日は母の日の週末と重なる。この日の「ゆい」はいつも以上に予約を取るのが難しくなりそうだ。
電話626・325・3840
24 W Sierra Madre Blvd
Unit A
Sierra Madre, CA 91024
www.yuirestaurant.com

静かで景観も良く、夕暮れ時にも人通りのある街並み