時代の変化を受け入れる

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 寿命を共にすると思っていたテレビが壊れ、新しいのを買わざるを得なくなった。デジタル放送に移行した年に買い替えたのだったから、9年経っている。今どきのテレビのテクノロジーの進化にちょっと戸惑っている。
 サイズは以前と同じ32インチだが、「私でも持てる」くらい軽い。リモコンを手にして「ヒエッ!」と驚いた。手のひらに隠れるくらい小さくて、パワースイッチの他にはOK、*、→、↑、∧、〓などの記号が付いた八つのボタンがあるだけ。チャンネルを選ぶ数字のテンキーがないではないか。10ページほどの小さな説明書にそれぞれの記号の簡単な解説があった。*=Optionという風に。(今までみたいにリモコン面に表示してあれば一目瞭然なのに…)*ボタンを押してテレビの左画面に表示された中から選んでOKで決定する、コンピューター方式だと納得する。
 テレビを見るには、まずパワーをONにする。初期画面の六つの中から「→」「↓」をクリック、クリック。いつものニュースを見るのにも2段階はかかる。まだるっこしいこと。
 そういえば、初期のテレビにはリモコンはなかった。遠隔操作の必要からリモコンが開発され、今またコンピューターやスマホの普及、YouTubeを見るなどテレビに多くの機能搭載が必要になったのだろう。量販店で購入したので、これが今の世間一般の標準仕様なのだろうが、買った人は皆、スンナリ使えているのだろうか。テレビも随分ムツカシクなったものだ。
 80歳を超えてからパソコンを習い、立派に文章を書き、Eメールをこなすシニアは多い、社会への適応力が生活を豊かにするという、ひとつの例だろうか。「スイッチをポンと押すだけで簡単に、誰でも楽しめるのがテレビだった」などと愚痴るより慣れるしかないと思い至る。
 先日、検査採血で久しぶりに訪れたオフィスの受付は、タッチパネルに変わっていた。さすが小東京、言語を選ぶ項目に日本語があり、ほっとする。ここにも変化の波が—【中島千絵】

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