長寿者を敬い、17人表彰:日本文化継承者に奨学金授与

0

OCJAA

80歳以上の敬老表彰式。表彰状を贈られ笑顔の受賞者ら。左端が藤田会長、右端が西元美代子・イベント実行委員長

 オレンジ郡日系協会(OCJAA、藤田喜美子会長)は9月30日、秋恒例の第32回「敬老感謝の集いと日本文化奨学金授与式」をアナハイムのオレンジ郡仏教会で催した。同郡に住む80歳以上の長寿者17人を敬老表彰し、日本文化の継承者2人に奨学金を授与した。各種エンターテインメントを披露し、同郡日系社会の礎を築いたパイオニアに敬意を表すとともに、次世代を背負って立つ若い文化継承者の前途を祝した。

元気いっぱいに歌う「OC童謡キッズクラブ」の子どもたち

 参加者約370人が、無料で招待を受けた80歳以上の95人を囲んだ。弁当を振る舞い、詩吟に民謡、子供の童謡、歌、和太鼓、茶道など各種余興でもてなした。
 藤田会長があいさつに立ち、イベント開催にあたり個人と企業からの寄付の提供や多大な支援に「みなさんの尽力のおかげで、このステージをセットアップして今日を迎えることができた」と謝意を表した。長寿者に対し「本当におめでとうございます。ますます元気で、今日は最後までゆっくり楽しいひと時をお過ごし下さい」と、優しく語りかけた。協会の発展へ意欲を示し「オレンジカウンティーのより良いコミュニティー作りを目指したい。今後もみなさんのハッピーライフの手伝いができるようになれればと思う」と抱負を述べた。
 各来賓が祝辞を述べ、松尾浩樹首席領事は「みなさんは本当に若く、元気でおられる。みなさんが、日系社会の発展と信頼の強化のために貢献してきたことが今、大きく花開いている」と称賛。「いつまでも元気で、若い世代を導いてもらいたい」と期待を寄せた。

三線と唄を披露する石原民謡研究所の沖縄民謡

 敬老表彰された17人が、祝いのレイを掛けて登壇し、藤田会長から賞状が贈られると、会場からは大きな拍手が贈られた。受賞者を代表して吐川ドンさんが日英両語で「われわれシニアが招待されて、おいしい昼食をいただき、表彰を受けとても光栄で、OCJAAにどのように感謝したらいいのか言葉が見つからないほどうれしい」と謝辞を述べた。
 80歳以上の表彰者は次の通り。(敬称略)
 吐川ドン、吐川順子、樋口祐一、今村あきら、木村留雄、前村サミ、盛岡三郎、村田都、桜井享子、佐藤幸子、スミス美佐江、田中トヨ、田中昭、田中静子、山口悟朗、神部ビクター、滝澤恵
 イベントでは、個人や企業の寄付による各種アイテムが競りにかけられ、会員手作りのデザートやクラフトなどの作品が販売された。収益は、協会が推進する福祉や文化事業、奨学生制度などの活動を通し、地域社会の発展のために活用される。

茶道の野田さん、剣道の荻窪さん受賞
よりいっそうの精進を誓う

 日本文化継承者を支援する「練尾日本文化奨学金」は、各分野で師範や名取り、武道の有段者など、将来が嘱望される人材育成を目的とする。今年は茶道の野田絵美佳さんと剣道の荻窪遼さんが受賞。練尾家から奨学金千ドルのチェックを贈られ、よりいっそう精進することを誓った。

表千家茶道同門会米国南加支部の点前

 野田さんは日本語の個人教師とダンス・演技指導のかたわら茶道を学び2年が経つ。6歳で渡米、高校時代を再び日本で過ごし「改めて日本が恋しくなって、もっと文化を知りたくなった」といい、裏千家の小泉宗由師に師事した。
 着物が好きで「昔のスタイルと、モダンな柄の組み合わせでファッショナブルに進化していて楽しい」。先輩茶人の着物を見るのも楽しく、着物姿だと米国人に声をかけられ話は弾む。将来は「日本と日本文化を広めることがしたい」
 OCJAAについては「アメリカで寂しく一人ぼっちにならず、他の日本人と共有できるホームのような安心できる場所で感謝している。これからも優しいみなさんと触れ合って、いろんな大切なことを吸収したい」。お茶や生け花などの文化教室の充実ぶりに感心し「もっと学びたい気持ちになる」と向上心を示した。
 荻窪さんは栃木で生まれ、6歳から剣道を始めた。渡米後、剣道は休んでいたが、12歳の時に再開し剣歴約10年。大会で入賞すると楽しさは増し、稽古に打ち込み腕を上げ3段の実力を持つ。「勝ち負けのことしか頭にはなかった」というが「成果よりも向上」の道教から考えを改めた。稽古、試合の前と後の礼を通し、相手を敬う剣道の真髄を悟る。スポーツ性と精神性の両面を持つ剣道の醍醐味は「体力にとらわれることがなく、一対一の駆け引きの果てしない対戦」。UCデービスに進学後も大学のクラブに属して稽古に励んでいる。
 OCJAAの活動については、自身が体験した言葉の問題や新しい環境への適応など渡米した頃を思い出し「日本から移り住んだ人の手助けをしていて素晴らしい。『OCネットワーク』(機関誌)も日本語でいろんな情報を提供していてとてもいい」と話した。

練尾日本文化奨学金の表彰式。左からジョージ三宅・奨学金委員長、練尾家のベティ今村さん、受賞者の荻窪遼さんの代理で兄の荻窪克樹さん、受賞者の野田絵美佳さんと藤田会長

Share.

Leave A Reply