被災者支援
ボランティアの姿も

 カリフォルニア州北部ビュート郡の町パラダイスで発生した山火事「キャンプ・ファイア(Camp Fire)」で20日までに15万1373エーカーが延焼し、少なくとも79人の死亡が確認された。今も700人近くの行方不明者がおり、懸命な捜索活動が続けられている。一方、現地では被災者に食事を提供するなどボランティアの人々の活動も目立ち始めている。【吉田純子】

 この山火事で住宅など1万7148棟が全焼。現在も消火活動が続けられており70%が鎮火した。完全に鎮火するのは30日になる見通しだという。
 山火事の煙はおよそ150マイル離れたベイエリアにも充満し、サンフランシスコのケーブルカーは19日、運行を中止。アルカトラズ島やオークランド動物園などベイエリアの観光名所も煙の影響で同日は休業措置をとった。
 加州保険庁によると、6800棟が打撃を受けた昨年の山火事の被害総額は126億ドルだったことから、今回の山火事はそれを上回る可能性があると報じられている。
 また現地ではボランティアの人々の活躍も目立ち始めている。ロサンゼルスの有名シェフ、ホセ・アンドレ氏が災害で被害にあった人々に食事を提供することを目的に2010年に設立したボランティア団体「The World Central Kitchen」をはじめ、パラダイス市、近隣のチコ市にあるカリフォルニア州立大学チコ校、チコ市に拠点を構えクラフトビールで有名なビール醸造所「シエラネバダ・ブルーイング・カンパニー」は、22日のサンクスギビングデーに向けて山火事から避難してきた人々およそ1万5千人にサンクスギビングの食事を提供する予定だという。
 一方、加州南部マリブ近郊で発生した山火事「ウールジー・ファイア(Woolsey Fire)」は20日までに9万6949エーカーが延焼。住宅など1500棟が全焼したが、96%が鎮火した。21日には山火事が発生したエリアで大雨が予想されており、山火事の影響で地盤が緩みやすくなっていることから土砂崩れへの警戒を強めている。

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