天草訪問記

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 天草を訪れた。熊本県の西端の島。先月、佐賀の維新150周年行事にLAの仲間と参加した折に、佐賀滞在を終えてから天草まで足を伸ばした。熊本市までは新幹線があるが、そこからは鉄道がなく快速バスに2時間以上揺られる。天草は熊本本土に橋でつながる大きな島。バス旅の後半はきれいな海を見ながら走り、海と島の景観が美しい。
 東京の知り合いがここで高浜焼き磁器の窯元を経営していてご招待を受け喜んで訪問した。わが家はここの白く薄い磁器が好きで、以前からいろいろ手に入れて愛用している。窯元は高浜焼きの磁器を製造販売するだけでなく、ここで採れる陶石を佐賀の有田焼の窯元にも提供している。これは佐賀でも聞いていた。
 窯元の博物館を見学すると江戸以来の歴史資料の展示が見られる。高浜焼きの歴史は約300年で、江戸中期に平賀源内が島に来て高浜の磁器を天下無双の上品と称賛し、輸出用に使う事を幕府に建議している。また江戸末期、伊能忠敬がこんな島まで従者たちと共に来て50数日も測量に歩いていた事が分かった。窯元の先祖がそれを支援している。
 忠敬が歩いた全国測量での大日本全図の完成は55歳過ぎになって当時としては高齢になってから17年もかけての偉業であり驚く。
 はるか昔1500年代半ばにはフランシスコ・ザビエルも伝導に来ている。天草の﨑津という湾に面する地域が今年世界文化遺産に登録された。この文化遺産は﨑津にある天主堂ではなく、天草の乱以後、江戸時代を通じての厳しい禁教の下に宣教師不在の環境で、仏教や神道を装ってキリスト教を二百数十年にわたり密かに信仰を続け、幕末にやってきた宣教師に駆け寄り告白して存在が分かった「潜伏キリシタン」の歴史と文化の漁村集落が対象になっている。
 天草は山がちで農業が難しく漁業一本の島。僕らは滞在の晩、朝、昼とも大皿に盛られた採りたての新鮮な刺身や魚介類をたらふく賞味させて頂いた。
 海の景観は島のどの角度や高さからも美しい。西の海の先の大洋は何も無く水平線に広がり、その大海原ははるかに中国につながるだけ。夕焼けが雄大で荘厳だった。日本の国土はどこも美しい。【半田俊夫】

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