盗作は犯罪

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 「受け売り」という言葉がある。
 あたかも自分の考えであるかのごとく他人に喋るのだが、こともあろうにその話をした本人にへっちゃら喋る御仁もいる。喋っているうちは毒にも薬にもならないのだが、いざそれが活字になってしまうと、それは「盗作」となる。
 最近目についた「盗作事件」が2件ある。
 一つは四国の某市長が市の広報紙の11月号に書いたコラムが某政党の機関紙のコラムをそっくりパクッていたというもの。調べてみると、これまで40回書いたコラムの大半が「盗作」だったというのだから開いた口が塞がらない。
 もう一件は、ジャーナリストでメディア研究者の女性が11月に刊行した新著の全7章の中で1章分を「無断転載」したケースだ。
 外国の事例を調査した国立国会図書館調査官の論文をそのまま「拝借」したのだ。本の出版社は「弁解の余地なし」と謝罪し、本を絶版にし、回収を決めた。ご本人は「無断転載の意図は一切ない」と歯切れが悪い。
 市長は「もの書き」としては素人。厚顔無恥だが、情状酌量の余地はある。が、女性のほうは、書くことでおまんまを食っている玄人だ。
 「盗作」はジャーナリストにとっては命取りになりかねない「犯罪」行為だ。著作権を故意に侵害すれば刑事罰5年以内の禁固刑と罰金が科せられる。
 親告罪だから告訴しなければ検察官も公訴はできない。米国の場合、「盗作」疑惑をかけられたジャーナリストはほとんど抹殺されている。
 くだんの女性はこれまで児童ポルノについて多くの本を著している。新聞やテレビでも引っ張りだこのようだ。
 日本のメディアや世論はこの女性の「盗作」をどう扱うのだろう。【高濱 賛】

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