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 物事に決定的な威力を発することは少ないものの、日常生活の中での関りが多く、少なからず影響を受けたり与えたりするものの一つに「色」がある。デザインの仕事をしていると色を決めることに直面することが多く、仕事の始めや途中で依頼主の方に好きな色をたずねる。
 特にロゴやブランドのマーク、パッケージの地色などを決める際など、最終段階では好みによって決定が左右されることも多々ある。また商品の色使いは売れ行きに少なからず関わってくる。
 最近は少なくなってきているようだが白黒は葬式をイメージさせるとか、紫は食品には使わないほうが良いなど、あまり意味のない言い伝えのようなものをベースにした「定説」が日本にはいくつかある。アメリカで生活しいろいろな商品を目にしていると、日本のデザイン業界でよく言われる判断基準があまり通用せず、型破りな配色を見かけることがよくある。
 ただ色によって目立つものと沈みがちなものは確かにあり、黄色はよく目立つ。それが災いするのか、赤い車と黄色の車はトラフィック・チケットをもらいやすいそうだ。また黄色やオレンジ色の服を来ていると虫が寄ってくる。
 個人的には嫌いな色はあまりなく、どんな色も組み合わせ次第で引き立つ場合が多いと思う。ただ誰にでも不快とまではいかなくとも、所持品や身につけるものには選ばない色は2つ3つはあるはずだ。
 また育ってきた環境の中で「男の子は青、女の子は赤」といった偏った傾向の影響を受けている場合が多いことからか、男性の場合は青と緑を選ぶケースが多く、赤やピンク、オレンジなどは外れることが多い。身の回りのものを選ぶ際には特にその傾向が多くなる。男性主導が多いせいか、日本では会社のロゴなどにも多く使われているのは寒色系だ。
 色の選択には選ぶ人の心理状態などが現れる。そして同じ人でも年齢で好みが変化する。絵画を通した幼児教育をしていた父が、子供の描いた絵から学び得たのは以下のとおりだ。
 赤は怒り・興奮、青と緑は理性・純粋、黄は父親の愛情不足、紫は精神不安定状態、黒は恐怖、白はあきらめ。
 大きく外れていないように思うが、いかがなものだろう。【清水一路】

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