身近なアカデミー賞

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 ハリウッド・ハイランドに久しぶりに足を運んだ。ジャパンハウスも入る大型の観光施設は、アカデミー賞が開かれるドルビー・シアターがあることでも有名。今年91回目となる同賞は来月24日に本番を迎える。ハリウッドの街の雰囲気はこれからますます高揚してくるだろう。
 アカデミー賞を身近に感じられるのはLA在住ならでは。ハリウッドの再開発以前はUSCに隣接するシュライン・オーディトリアムで行われていた時期もあった。レッドカーペット脇の観客席でスター到着の場面を盛り上げるアルバイトをしたことがある。トイレも空腹も結構な我慢を強いられたが、貴重な経験だった。
 同賞を主催する映画芸術科学アカデミーは現在、ウィルシャー通りに「アカデミー映画博物館」を建設中。オープンは今年の後半らしい。開館記念に日本アニメ映画の巨匠、宮崎駿監督の作品展を開催する。スケッチや絵コンテなどの展示のほか、スタジオジブリのキャラクター商品も販売する予定。「全米でかつてない規模の回顧展」になるというから、ジブリファンでなくても一見の価値がありそうだ。
 日本映画は長年「クロサワ」監督の功績とともにたたえられてきた。しかし「ミヤザキ」監督が世界に与えた影響は今や「クロサワ」映画と並ぶか、それを上回るのではないかと推測する。「千と千尋の神隠し」でオスカーを手にし、興行的にも成功したジブリの生みの親の作品展を開館記念企画に選んだこともうなずける。
 同博物館の南西には「アカデミー・ライブラリー」と呼ばれる図書館がある。正式名称は「マーガレット・へリック・ライブラリー」。長年同館で司書を務め、同団体理事にもなった女性の名前を冠している。この図書館は同賞設立の翌年1928年に作られ、現在の位置には91年に移転した。映画関連のあらゆる書物、資料、写真、脚本(10年代からの1万5千作品以上)などが保管され、随時更新されている。映画学科の学生や俳優、映画関係者が主に利用するが一般の人も楽しめる。アカデミー賞をさらに身近に感じられる場所だ。【麻生美重】

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