
寿司を清潔・新鮮に保つために同社が開発した特殊な蓋つきの皿が回転台を回る
日系企業も所在するサイプレスは、くら寿司のターゲットであるアジア系が多く、中でも寿司を好む中国系、ベトナム系人口の割合が大きく集客が見込まれる。また、周辺にはサイプレス大学や高校もあり、同店について口コミで広がっていくことも予想できる。

店の前で写真に納まる、右からマネジャーのリナさん、社員のサリーさんとクリスさん
日本で提供するメニューに加え、ローカル向けの新たなメニューも随時開発。「定期的にスタッフが話し合って(需要の有無により)メニューを変更する 」。こうして150近くの品数を常に取り揃え、客のニーズに添うよう努めている。
使用する食材は社内で厳しい判定がある。田中邦彦社長の一番のこだわり「安心して客に食べてもらえるかどうか」 を基準にし、社内の規格に合ったものだけが選ばれ提供される。
「すべての食材において化学調味料、人工甘味料、合成着色料、人工保存料を一切使用しておりません」本社ホームページにはこうした企業理念も掲載されている。
同社が開発した皿回収システムや、一定枚数を注文すると遊べるガチャガチャゲーム「ビッくらポン」など、他のレストランでは味わえない楽しさも。キッチンとも連携するこのシステムにより、回転台に乗ってから一定時間たった寿司は下げられ、人気の寿司は数が増やされる。また、 台にある皿を少し引いただけで自動的に開く同社開発の特殊な蓋が、食べ物を清潔・新鮮に保つ役割をしている。全て各テーブルに設置されたタッチパネルで操作が可能。

放課後になってやってきた学生ら
放課後の午後3時にもなると、空腹になった生徒や学生らが席を埋めた。ヒスパニック系の家族連れや白人のカップルなど、さまざまな人種が 思い思いのひと皿を回転台から受け取る姿が目を引いた。
同社の米国社員の平均年齢は若く、アルバイトでサーバーをしていたところ、特技を見出され正式に採用されたスタッフもいる。
「出店ペースは速く、この先5年で50店舗を計画中。100店舗を目指す」(ワタナベさん)。若い力と確かな企業理念で邁進する同社に今後も注目したい。【麻生美重】