アカデミー賞候補「万引き家族」と「未来のミライ」:オスカー獲得に期待高まる

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千葉明総領事(右)から激励を受けるアカデミー賞候補者の細田監督(左)と松崎プロデューサー(中央)

 映画界最高の栄誉とされる第91回アカデミー賞(24日授賞式、ハリウッド・ドルビーシアター)にノミネートされ、オスカー像獲得に期待が高まる注目の邦画2作品、外国語映画部門の「万引き家族」と長編アニメ部門の「未来のミライ」の関係者が5日夜、総領事公邸に招かれ千葉明総領事から激励を受けた。レセプションに臨んだ候補者は、ハリウッド映画関係者らゲスト約100人を前にあいさつし、米側での協力に謝意を表するとともに授賞式へ臨む意気込みを語った。

 「未来のミライ」は4歳の男の子が、生まれたばかりの妹に愛情を注ぐ両親にかまってもらえず、時空を超えて未来から来た妹と出会い、家族愛を育むストーリー。記者会見に臨んだ細田守監督は、同作が自身の家族をモデルにしたとし「どこにでもあるような日本の片隅の家族で起こったことを子どもの目線で描いた」と紹介。配給は96カ国に上り「美しい映画だ」と評価を受けたことに「オリエンタリズムに感動したのではなく、外国でも自分の家族のように思って受け止めてもらえたと思う。日本の子供の話が、インターナショナルに通じる表現になりうれしい」と喜ぶ。

「小さい子供と過ごす時間(子育てを含む)から、すばらしいことを学び、幸福感、充実感を味わった」と語り、今回の作品づくりに励んだ「未来のミライ」の細田守監督

 同時にノミネートされた万引き家族は、奇しくも自作と同様に家族をテーマにする。それに対し、自身も是枝裕和監督と同じく家族をテーマにすることが多いことから「是枝監督には、ずっとシンパシーを持っていた。現代日本において何をテーマに映画を作るかは、現代を切り取る上で、家族が絶対に必要不可欠なモチーフになると思って描いてきた」と説明した。
 アニメーション映画では家族を題材にすることはまれとし「(今作のように)ここまで描くことはまずない。自分でも変わったことをやっていると思った」「世界中の映画作家たちと、語り合う際にインターナショナルなモチーフになるのが家族。今の日本をどう捉え、どう表現するかのみならず、いろんな国が家族の問題に関心があると思う」と力を込めた。
 アカデミー賞については「世界のさまざまな映画賞の中でも非常に特別な存在。そこに日本の作品がノミネートされて記録に残し、映画としての存在感を残し、大きなことだと思う」と胸を張る。授賞式には「小さなプライベートな話が、映画の価値を決めるような重要な物差しを持つ映画祭に呼ばれた意味を噛み締めながら臨みたい」と語った。
 ノミネートされたライバル4作品について「他はアクションと冒険映画。『未来のミライ』 は、子供を主人公にしながら、映画の表現の可能性を広げるような映画と自負している」と力説。「そういうものを候補にしてもらったアカデミー賞のすごさ、懐の大きさ、評価側の気持ちを感じる」。受賞の自信については「既存のアクションを選ぶか、新しい映画を選ぶか。2分の1」と話した。
 万引き家族の是枝監督は、あいにくこの日のイベントに参加できず、松崎薫プロデューサーがあいさつに立ち、監督のメッセージを読み上げた。同日午後に開かれたアカデミー候補者の昼食会に参加した監督は、受賞レースの投票とは打って変わった雰囲気の映画を愛する人々との温かい交流に興奮し魅了されたとし「私が初めて経験する授賞式までのこの3週間を楽しみたい」と述べた。【永田潤、写真も】

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