202年ぶりという皇位の継承が、いよいよ来月1日に迫った。4月1日の新元号の発表を数日前から心待ちにしていた私。今やスマホで、日本とほぼ同時に見ることができるテクノロジーの進歩に敬服、感謝しながら固唾を飲んで、その歴史的瞬間を自宅で、今か今かと待ち続けた。
 予定の時間になっても発表する官房長官は姿を見せず、やきもきさせる。そしてついに「元号は令和」。誰もが令和と、予想できなかったのは無理もない。その典拠は、これまでの漢籍ではなく初めて日本の万葉集だったからだ。
 早速、日本とアメリカに住む友人にスマホを使って、反応を聞いてみた。日本は月曜朝だったため、仕事でテレビを見られなかった人も多かったが、みんながネットのニュースで知っていて歓迎して、めでたいお祭りムードに包まれているように感じた。一方、LAに住む日本人には落胆した。私が伝えた「速報」で新元号を知った人がほとんどで、母国の大きな出来事ととらえてないようで、関心がない人が多かったのには驚いた。
 日本のテレビ、ラジオ、ネットの各ニュースは言うまでもなく、速報で伝え、町では配られた号外を奪い合うなど、列島は沸いた。全国の新元号と同じ名の令和(よしかず、のりかず)さんが取り上げられたほか、新元号と同じ社名に変えた会社もありまた、令和を使った便乗商品が数々生まれ、みなが知恵を絞って、あやかろうとしていて、おもしろい。その傾向は国内のみならず中国にも広がり、令和が商標で幾多も登録されたというから驚く。漢字の祖国でも採用されたことを光栄にも思おう。
 「平成最後の…」は、今月末で終了する。そして翌日からは「令和最初の…」が、しばらくの間、話題になりそうだ。その「令和最初の」で、最も早く騒がせるのは新生児の誕生に違いない。令和元年生まれの赤ちゃんは、新時代の幕開けの象徴であり、少子化の日本にとっては特に期待が寄せられる。5月1日出産予定のお母さんは、早く生み過ぎないように頑張ってもらうのもいいだろう。
 天皇の退位と即位は、人生でそう何度も見られるものではない。じっくりと味わいたい。「ありがとう平成、よろしく令和」【永田 潤】

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