戦いの場求めた新天地でデビュー:二刀流で挑む濵口芙由紀

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輝き始めた弁護士フットボーラー

選手紹介を受け、暗闇に白煙の演出の中でスポットライトを浴びながら勢いよく登場する濵口(中央)

 女子アメフトの濵口芙由紀はプロ4年目の今季、さらなる高みを目指して戦いの場を「レジェンズ・フットボール・リーグ」(LFL)に求め「ロサンゼルス・テンプテーション」に移籍し5日夜、本拠地オンタリオで行われた開幕戦で、リーグ初の日本選手としてのデビューを飾った。本職の弁護士との二刀流で挑む「弁護士フットボーラー」は、観衆の大歓声で迎えられ新天地で再び輝き始めた。

激しいトレーニングで鍛え上げた引き締まった体形で開幕戦に臨んだ濵口

 プレーと並行して選手のイメージづくりやブランディング、ファンサービスのエンターテインメントを重視するリーグ。試合当日は朝8時から、夜7時開始の試合前のセレモニーで披露するダンスなどパフォーマンスのリハーサルや写真・プロモーションビデオの撮影がぎっしり詰まり「分刻みのスケジュールをこなさなければならず、いっぱい、いっぱいだった」
 さらに初めて身を包んだユニホームに恥じらいを覚えたという。LAのダウンタウンの高層ビル内のオフィスで働く時の普段のビジネススーツとは大きく異なる出で立ち。上半身はヘルメットとプロテクターを装着するもののリーグはかつて「ランジェリー・フットボール」と呼ばれたように、ビキニに限りなく近く「人前に出たくなかった」と、本音を漏らした。
 敵のシアトル・ミストは、優勝候補筆頭に挙げられている。試合開始早々からタッチダウンを奪われた。主導権を握られ、展開を変えようと投入されたのがワイドレシーバー濵口だ。第2Q途中からの出場だったが、第1Qでチーム一の俊足で、濵口の逆側の右のレシーバーが負傷で退場したため「テンパって(余裕がなくなり)、頭の中が真っ白になっていた」という。
 濵口が早朝5時や6時に出勤するのは、トレーナーを付けることもある夜3、4時間のトレーニングに備えるためだ。負傷選手が嘆いた「この日のために、とてつもない時間とお金をかけて練習してきたのに…」が身にしみて感じ「落ち込んだ」。その交代として右側のレシーバーも命じられたが、練習したことがなかったため、セットプレーを間違うミスを続けざまに犯し「コーチに怒鳴られて2回ベンチに下げられた」

ロングパスを狙ったプレー。右が濵口

 人工芝用のスパイクが間に合わず、滑る芝に悩まされた。切り返しが困難で、「体勢を低く保て」のチームメートの指示通りにしたが、本調子にはほど遠かった。
 試合は、1度も追いつけないまま19―34で敗れた。デビュー戦について「思ってもいなかったいろんなことが起こって、基本の基本ができなくてプレーに集中できず、少ないチャンスの中で本来の力を発揮できなかった。『波乱万丈』の開幕戦だった」と振り返った。「リーグ初の日本人選手」「新人王候補のレシーバー」などと期待され「大きなプレッシャー」の中で試合に臨み、大勢の観衆が集まった経験したことのないアリーナ独特の雰囲気にも飲まれ「すごく緊張した」
 チームメートのけが、グリップが効かないスパイク、不慣れなポジションでのミス続きなど、さまざまな失敗が頭の中をよぎったが収穫もあった。フェンスに囲まれたフィールド内でのプレーは初めてで、今まではライン際を走り抜けることができたが今回、壁までの距離感がつかめず壁際ぎりぎりのボールのキャッチ難しさを知った。また7人制はフィールドが狭いため、運動量は昨季までの11人制より大幅に減り、ペース配分のコツを掴みまた、選手間の距離が詰まってい

ハドルの後、ポジションに戻る濵口(左)

のるため、スペーシングの取り方も確認できた。
 応援に訪れた友人や職場の同僚、元チームメートからは「よかったよ」「かっこよかった」などと誉められ、リーグのオーナーからは「最強のチームを相手によくやった。次も頑張れ」と、健闘をたたえられた。励ましの言葉をもらったことで「相手がそんなに強いとは思わなくなり、『こんなものなのか』と思ったら余裕が出てきた」と、次に向けて気持ちを切り替えることができたという。
 「やるからには、次は腹をくくって、プレーリストを完璧にし、どんなとっさの出来事にも対応して、プレーに集中したい」
 次戦は26日の敵地でのデンバー戦。3戦目は5月17日のホーム。
 チケットは、チームのホームページ―
 www.lflus.com/latemptation
【永田潤、写真も】

試合前練習でチームメートと談笑する濵口(中央)

試合前の練習で、ロングパスをキャッチする濵口


試合前のセレモニーでの国歌斉唱。10番が濵口

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