アポロの遺産

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 50年前の1969年7月、アポロ11号は人類初の月面着陸に成功した。世界中で同時中継され、視聴者数は5億3千万人(当時の世界人口の14%を占めた)に及んだともいわれている。
 今年初頭、サンダンス映画祭でも受賞した『アポロ11号』長編版ドキュメンタリーが公開された。さらに今月半ばより同作のIMAX・70ミリ大型映画版(通常の映画フィルムは35ミリ、今ではデジタルが主流になっている)の47分版が北米で公開される。完成前の試写会で見たが、壮観なる大画面での迫力は物凄かった。まるで自分も一緒に宇宙旅行を体験しているようだった。
 NASAのアーカイブで長年眠っていた70ミリフィルムが発見され、その映像が今作品で多分に使われている。また当時録音された音声を使っており、臨場感が生で伝わってくる。
 ちなみに50年代、60年代は新メディアとして台頭してきたTVに対抗するため、大画面でも鮮明な画質の70ミリフィルムが劇場映画向けに多用された。『80日間世界一周(1956年)』『クレオパトラ(1963年)』『マイ・フェア・レディ(1964年)』などが作品例だ。
 1961年ソビエトのガガーリンが、人類初の大気圏外の宇宙飛行に成功した。宇宙開発競争で一歩先を越された当時のジョン・F・ケネディ大統領は、1962年の演説で60年代を終える前にアメリカは人類を月面着陸させると熱弁し、大きな目標を掲げた。悲しくも大統領は翌年暗殺されたが、彼の遺志は受け継がれ実際に構想を実現させた。
 当時アメリカのアポロ宇宙計画の意気込みは凄まじかった。そのアポロ11号のわずか4カ月後に、事実アポロ12号も月面着陸に成功し、さらに2人の宇宙飛行士が降り立ったのである。
 アポロの遺産は、国のリーダーシップで国民が一丸となれば勇気と行動力で偉業を達成できる、そしてわれわれの地球を愛着を持って大切にしよう、ということだと思う。
 平成が終焉し、新たな令和時代到来。明るく平和な世界を願う。【長土居政史】

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