アドラムさん優勝、世界大会へ:全米から15代表、熱戦繰り広げる

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オーロラ基金日本語スピーチ大会

大会を終え、盾を掲げて記念撮影に納まる出場者

 オーロラ日本語奨学金基金(阿岸明子理事長)主催の第16回米国高校生によるオーロラ日本語スピーチコンテスト全米大会が5月25日、カリフォルニア大学アーバイン校で行われた。全米日本語教育会と在ロサンゼルス日本総領事館共催、国際交流基金ロサンゼルス日本文化センターの助成で行われたこの催しには、全米のコンテストを勝ち抜いた15人が参加。頂点を目指し熱い戦いを繰り広げた。
 同日本語スピーチコンテストは、米国内で日本語を学習しているノンネイティブの高校生に日本語スピーチを発表する場を提供し、日本語学習者の意欲を高め、日本や日本文化への理解を求めることを目的として毎年開催される。優勝者は、全米代表として国際大会へ参加する機会が得られ、日本語による国際交流を推進する。

緊張しながらも自分の言葉を伝えるサリナス高校のブリアンナ・メンデスさん

 登壇者は5分間のスピーチの後、審査員から日本語のインタビューを受ける。双方の採点を基に厳正に審査され、優勝者が決定する。
 今年の優勝者は、サン・ディエゴ地域の代表として出場し「おばあちゃんとの約束」を発表したキャニオン・クレスト・アカデミーのゼーン・マーカス・アドラムさん。アドラムさんは中学1年生の時、がんを患った祖母と「日本語の勉強を続ける」という約束を交わした。日本語の上達に伴い自信がつくなど気持ちに変化が起こる。日本旅行で母のために通訳をした際の母の驚く様子を表したり、祖母との精神的結びつきを描いたりしたことで一段と印象を強めた。

インタビューの質問に答えるセリー・フォーエスターさん

 結果発表の後アドラムさんは「まだ信じられない。たくさん練習したのでもちろん自信はあった。優勝できたのは指導してくれた先生方のおかげ。世界大会へ向けもっと練習する」と流暢な日本語で語った。指導した馬部早登教諭は「教室でスピーチコンテストに出ないかと誘ったところ、ゼーン君から『オーケー』との返事。おばあちゃんのことを話したいという明確な考えがあったことが後でわかった。ゼーン君の優勝は教師冥利(みょうり)に尽きる」と嬉しそうに語った。

記念撮影に納まる(左から)日本語クラスのドナルド・クイン教諭、阿岸明子理事長、優勝したゼーン・マーカス・アドラムさん、日本語APクラスの馬部早登教諭

 アドラムさんは最優秀賞の奨学金千ドルを受け、7月に行われるエデュケーション・ガーディアンシップグループ主催の「第24回海外高校生による日本語スピーチコンテスト」に米国代表として出場する。 
 朝倉巨瑞実行委員長は「 年を追うごとにスピーチ内容が深くなっているように感じる。インタビューでは大人が答えるのも難しいような質問に日本語で回答しているし、今まで以上にレベルが高い」「この大会へ来た全員、みんな自分が優勝すると信じきっている。練習を積み重ね自信を持って参加している」と感嘆した。
 「女性の社会的平等」や「日本の皇室」「メンタルヘルス」などテーマは広範囲に及び、出場者の着眼点、問題意識の高さと深い考察にそれぞれの個性がうかがえた。選考委員から受けた難解な質問にも一生懸命答える出場者には、客席から温かい拍手が送られた。
 同基金の阿岸理事長は、この日本語スピーチコンテストが「日米国際交流の担い手を育成するのに重要な役割を果たしている」と述べ、「日英両語に堪能な生徒を選出すること、選ばれた生徒が訪日の際には日本人と問題なくコミュニケーションがとれることも大切」と補足した。

阿岸明子理事長(右)から花束を贈られる住山妙子さん

 他州代表の宿泊先となったホストファミリーや大会のボランティアスタッフへ実行委員から謝意が述べられた。 長年、同大会の実行委員長を務めてきた同基金初代副理事長の住山弘さんと妻の妙子さんに花束を贈呈。夫妻の多大なる貢献に敬意が表された。
 【麻生美重、写真も】

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