過去20年間でもっとも大規模

 地質調査所(USGS)によると5日午後8時19分にロサンゼルス北方約150マイル(約240キロ)のリッジクレスト市付近を震源とするマグニチュード(M)7・1の地震が発生した。南カリフォルニア地区で過去20年間でもっとも大きな地震となった。【吉田純子】

 これまでのところ今回の地震による死者や負傷者などは報告されていないが、震源地近郊の町では建物の火災や停電が発生。震源地近郊の町トロマでは少なくとも建物50棟が損壊した。
 ハイウエー#178のリッジクレスト市付近では岩石崩壊が起きており、ベーカーズフィールドからレイク・イザベラ間が閉鎖された。
 独立記念日の4日にも5日の地震の震源地から7マイル北西を震源とするM6・4の地震が発生。サールズ・バレー近郊では1400回以上の地震活動が観測されており、5日の地震後、M5を超える余震は2回、M4を超えるのは16回観測され、今後も余震が続く可能性がある。
 揺れは南加地区一帯をはじめ、ラスベガスやメキシコでも感じられたという。
 小東京タワーの16階に住む西てる子さんは「ずいぶん長い間激しく揺れていた」と話す。家具が壊れたり棚から物が落ちるといった被害はなかったものの、すぐに着替えて逃げる準備をしたという。
 「4日の地震と比べると5日の地震はとても強い揺れを感じた。かなり長く横に揺れていたと思う」と話すのは小東京タワー10階に住む樋口正子さん。「タワーには一人で住んでいる高齢者も多く、万が一の時にはエレベータも使えなくなる。高層に住んでいる高齢者が1階まで階段で降りるのは大変。災害時の対応などを考えてもらいたい」と不安な胸の内を明かした。
 5日の地震直後に記者会見を行ったカリフォルニア工科大学の地震学者ルーシー・ジョーンズ氏によると、5日の地震は前日の地震より4・7マイル震源が深く、威力はおよそ10倍強かったという。同氏によると、同じエリアを震源とする大きな地震が再び発生する可能性もあるといい、M6以上の地震は50%、M7規模の地震が発生する可能性は10%あるという。
 同大学の地震学者ザークリー・ロス氏によると、今回の地震はリッジクレスト市やチャイナ・レイク地区近郊に南北に45キロ、東西に15キロにわたって広がるリトル・レイク断層帯で生じたとされる。
 連邦緊急事態管理庁も大規模な地震の後には余震が続く恐れがあるとし、①就寝中に地震が発生した場合はベッドにとどまり頭や首元を枕や布団で覆う②運転中の時は建物や木、電線、高架道路の下や地下道の側から離れた安全な場所に停車する③建物内の場合は揺れがおさまるまで部屋にとどまり、けっしてすぐに外に逃げ出さないよう呼び掛けている。
 加州のギャビン・ニューソム知事は5日、非常事態宣言を発令。LA市とLA郡消防局によると、同市と同郡でもこれまでのところ今回の地震による負傷者や建物損壊の被害は報告されていない。
 今回のM7・1の地震は南加地区で過去20年間でもっとも大きな地震となった。過去には1994年にM6・7のノースリッジ地震が発生し、57人の死者がでたほか、99年にはバーストの東南東およそ50マイルのヘクター・マイン近郊でM7・1の地震が発生している。

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