二世週祭「七夕フェスティバル」:かざりとコスプレーヤーが小東京を彩る

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風に揺れる七夕かざりが来場者をお出迎え

かざり、コスプレー、そして折り鶴。伝統文化とポップカルチャーという両極端の世界が小東京のフェスティバルで極彩色にブレンドし、来場者を圧倒した。【長井智子】

 1街からのエントランス付近に展開するアート&クラフトのブース、2つのステージのエンターテインメント、コスプレーコンテスト、フードブースとビヤガーデン、七夕かざりディスプレーとかざりコンテストなど、構成要素は多岐にわたる。だが、何といってもこのフェスティバルを際立たせるのは、宮城県の仙台七夕まつりを例にならった豪華な七夕かざりである。
 テンプルストリートに抜けるMOCA脇の小路に109個の七夕飾りが吊るされた。本家仙台から運ばれた和菓子店「白松がモナカ本舗」製作の5個を含むディスプレー作品が39個。ひときわ巨大なディスプレーは、先のデザインコンテストで優勝したジェイシー・ハーディーさん(13)のデザイン画をもとに実行委員会らが製作した「星のロマンス」テーマ作品である。高さは22フィート(役6・7メートル)もある。
 

豪華な七夕かざりのトンネルを抜けステージ&フードエリアへ

本紙でも度々伝えたコンテストにエントリーした作品が70個。やや小ぶりだが、それでも1個の高さは1・5〜2メートルある。出品者の内訳はNPOが30本と最も多く、続いて個人・ファミリー18個、県人会15個と続く。委員会が選ぶ最優秀賞は宮崎県人会が受賞。10日の来場者の一般投票によるピープルズチョイス賞は解脱教会の作品が受賞した。カラフルな飾りのトンネルはまさにインスタ映えするスポットなので、来場者が次々と飾りを写真に収めていた。

ブースいろいろ
 かざりのトンネルを抜けるとメインステージエリアとフードブースエリアがあり、音楽やパフォーマンスを楽しみながら食事をとることができる。
 一方、かざりのトンネル手前に目を向けると、ここには 県人会やNPOのブースや日本をテーマにしたアート、クラフト、商品の販売ブースが並んでいる。
 イラストレーターのレイチェル・ウォーカーさんのブースは、日本がテーマながら可愛らしさと怖さの混じった独特の世界観の作品が並び面白い。ビンテージの帯や着物を扱うキモノ&グリーンティーのチイさんは今年初めて出店したというが、「若者が浴衣などを買ってくれてうれしい限りでした」という。トラディショナルな日本の文化と、アニメに代表されるポップな日本の文化が混在するブースを見て歩くのは楽しい経験だ。

コスプレーコンテストとジャパンカフェ
全米日系人博物館に目を移すと、イベント入場に並ぶ列が出来ている。10日は博物館が主催で家族向けのイベントを開催していたが、11日は在ロサンゼルス日本総領事館が主催の「ジャパンカフェ」が開催されていた。入場無料で、日本の食品会社が製造する8種の菓子と7種のお茶ドリンクを無料でサンプリングできる上に、着ぐるみキティちゃんと写真が撮れるという楽しい企画。会場を切り盛りしていた領事の今井康治さんは「日本のPRと、日本にどんなお茶とお菓子があるかを知ってもらう初めての試みです」と言う。東京五輪マスコットの「ソメイティ」「ミライトワ」のぬいぐるみと写真を撮れるコーナーや、日本を案内するコーナーもある。サンプリングを楽しんでいたお客さんのダーレンさんとディアットさんのカップルは、「二世週に来るのは今年が2回目。あとでビレッジのキャラクターショップに行こうと思っていたが、思いがけずここでキティと写真が撮れて幸運」ととても嬉しそうだった。
 午後1時半から、日系博物館前のステージではアニメ・エキスポが主宰する「コスプレーコンテスト」が始まった。各出演者が身につけているコスチュームは、どれもが時間と手間と想像力を駆使して作られている。出演者が心から参加をエンジョイしていることが伝わってくる。優勝したのは、もののけ姫のアシタカに扮したオヤスミ・コンペイトウさんで、コスチュームの制作期間は1年だったという。

京アニに折り鶴を
アニメと言えば最後にどうしても紹介したいのが、七夕かざりのトンネルの下の折り鶴コーナーだ。

京アニに折り鶴を」をテーマに鶴を折る参加者

そのテーブルの上に、「京アニへ折り鶴を」の文字があった。まだ記憶に新しい京都アニメーションの悲惨な事件。犠牲者の慰霊のために折り鶴を送ろうという呼びかけに、インドのサリーをまとった女性や、子どもたちが、ボランティアから折り鶴の作り方を真剣に習っていた。

一年に一度の星のロマンス
 小東京はコスプレーヤーの聖地でもある。コスプレーヤーのカラフルな衣装は七夕かざりと良くブレンドしていた。伝統文化とポップなアニメ文化は両極端で相容れないようだが、どちらも日本が誇る文化である。こと小東京ではその混ざり合いが新しい価値を生んでいるようだ。
 飾りが吊るされた特設会場には屋根があり、竹や紙が素材のデリケートなかざりを直射日光から守っていた。それでも時に吹き込む風に吹き流しが大きく揺れていた。月曜日の鑑賞日を挟んで13日には取り外される。また来年を楽しみにしている。七夕と小東京。1年に1回の星のロマンスだ。

さまざまなキャラクターに扮しコンテストに参加したコスプレーヤー

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