さあ、2020年の幕が開けた。今年はわれらの母国日本にとって、大事な特別な年となる。そう、「いよいよ」の4年に一度のオリンピックイヤーだ。代表選手と、もてなす側としての関係者は、気合いが入った格別な新年を迎えたことだろう。
 「あけましておめでとうございます」「今年もよろしくおねがいします」。世界中の人々が祝う「メリークリスマス」もいいが、日本人にとってめでたさが至る所に漂う中の新年のあいさつは、正月独特の情緒を味わうことができる。
 おせち料理にお雑煮、おとそ、お年玉、書初めなどなど。祝う風習が盛りだくさんで、1年に小分けにしてもいいくらいに詰まっている。まあ、ぜいたく三昧をしても正月だけはバチは当たらないだろう。
 初詣に社寺でお参りをし、さい銭を入れて絵馬に思い思いの願いを込める。受験生はもちろん合格。そして、皆が祈るのは無病息災。だが、願い通りにならず、家族や友人を病気や不慮の事故で亡くし、まだ立ち直れないままの人もいるだろうが、新たな年を機に気を取り直そう。新年の抱負は、健康を第一に減量や断酒、仕事そして私生活で充実した飛躍の年を期し「今年こそは」と意気込む。その固い決意を忘れず、三日坊主を卒業したいものだ。
 昨年もまた、われわれが関わる日米各所を大規模な自然災害が襲った。日本は大地震の被災から復興に向かう途中なのに大きな台風が次から次に見舞い、カリフォルニアでは広範囲の山火事が強風にあおられ猛威を振るった。惨劇はもう見たくはなく、防災の意識を高めなければならない。
 今季の大リーグは、日本人ファンの楽しみは増す。昨年、ポスティングによる挑戦が相次いだ。日本人投手の活躍が目立っていたため、久しぶりに野手が海を渡りデビューするのが待ち望まれる。そして忘れてならないのが、もちろんあの大谷だ。一昨年に受けた右肘手術のリハビリが済み、2シーズンぶりに投打の「二刀流」が復活する。登板の日程調整のため打席数は減るが、それと引き換えに100マイルの豪速球がまた見られると思うとワクワクする。日本と日系社会の至宝の応援に繰り出そう。
 今年最大の関心事は、何といっても東京五輪・パラリンピック。世界最高峰の選手が競い、世界の目が日本と東京に向けられる。過去2大会のテレビ中継の視聴者数は世界の人口の約半数にあたる36億人に上ったといい、これほど日本を世界にアピールできる大会はなく、最大のチャンスを生かさなければならない。
 各競技・種目の代表権争いは佳境を迎えており、開幕までのカウントダウンが100日を切れば、オリンピックムードはいっそう高まる。聖火ランナーはもうすぐ走り出す。ところが、羅府新報のこの新年号の表紙には、笑顔のネズミがすでに…。日本人なら分かってもらえるが、干支の習慣がないアメリカのトランプ大統領ならお得意の「フェイクニュース!」と、お怒りになるかもしれない。正月なので大目に見て、再選を目指す大統領選に集中して下さい。
 日本がオリンピックで掲げる目標は高く、金メダル30個。お家芸の柔道でゴールドラッシュが期待できる上に他の得意競技でメダルを稼いでもらいたい。毎日、熱戦が展開され、数々のドラマが演じられ列島が沸くと思うと今から胸が高鳴る。東京に向けて、日の丸を振って応援しよう。
 オリンピックに限らず、2020年は未来の日本にとって大切な年になる。
 がんばれ! ニッポン!【永田 潤】

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