新型コロナとシアトル

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 状況はますます悪くなっている。
 対岸の火事のように思えていた新型コロナウイルスが、シアトルに上陸したのは1月半ば。武漢から帰国したシアトル郊外在住の男性が、アメリカでの最初の感染者となった。
 2月には、ウイルスがナーシングホームで集団感染を引き起こした。多数の入居者と職員のほか訪問者までも感染して死者数はたちまち2桁となり、シアトルは新型コロナウイルスの全米中心地となってしまった。
 3月に入ると、感染はより身近なものになってきた。長男は、勤務先のビルの同じ階で感染者が出たと言い、隣家の息子さんはオフィスで感染者が出たため在宅勤務に。日本語ボランティアとして私が通っていたナーシングホームでも感染が起き、一人が亡くなった。
 アマゾンやマイクロソフトは、一斉にテレワークに移行。3月13日には知事が、ワシントン州内のすべての学校に4月24日までの休校を命令した。大規模集会は避けるようにという勧告も、500人から250人になり、やがて、10人を超す集まりはたとえ結婚式でも葬儀でも禁止に。イベントはキャンセルされ、バーやレストランは閉じられた。感染すると重篤になりやすいという高齢者のために、スーパーマーケットはシニア専用の買い物タイムを設定した。
 3月始めは、まだ感染者の出てない州も多く、コロナを持ち込むことになってはいけないからと他州在住の次男を訪問する旅を諦めたのだが、3週間後の今はどうだ。ヨーロッパからの飛び火を受けたように東海岸、特にニューヨーク近辺での感染者が爆発的に増加。あっという間にニューヨークが全米中心地となり、感染者も全州に広がった。
 ニューヨークやカリフルニアなどに次ぎ、23日にはワシントン州にも外出禁止令が出された。全米の感染者は、今では5万人を超えてしまっている。
 見えないウイルスを相手に戦争をしているような不安な思いが募る。この戦争に勝つには今のところ、互いに距離を保って感染を防ぐことと手洗い励行が最大の武器だという。家に籠ることに愚痴は言うまい。シニアは特にご注意を。【楠瀬明子】

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